「ちょっとごめんよー」(介護老人保健施設 きのこ老人保健施設 高橋秀幸)
2017年1月16日 更新
隣のユニットの女性入居者Sさんは、「ちょっとごめんよー」と昼食後必ず隣のユニットに遊びに来る。理由は同じユニットのAさんの事が気に入らないと話す。なんで嫌いか本人も理由が分からないがAさんの一挙手一投足が気に入らないとのこと。できるだけSさんの視野に入らないよう、配席には十分配慮しているが、昼食時にはどうしてもAさんと顔を合わせてしまう。だから、昼食を済ませるとすぐに隣のユニットに訪れ、気の合う人と食後の時間を過ごすのだ。
先日、ある広報誌で、「ユニットケアは、気の合わない入居者同士の逃げ場がないのが弱点だ」との記事を拝見した。Sさんを見ていると決してそんなことはないと思う。入居者の居場所は自由であり、何処に居ようが入居者の勝手である。入居者は居心地のいい場所を自分で選ぶ権利を持っているのだ。自施設のユニットでは、どんな人が来ても笑顔で気持ちよくお迎えするよう「おもてなしの精神を」根付かせている。