「『70人70様の暮らし』に学んだこと」(介護老人福祉施設 花友にしこうじ 濱口洋行)
2017年6月15日 更新
介護関係の仕事は、「人がいない」「忙しい」と言われながらも、入居者それぞれの想いに寄り添いながら、職員同士で話し合い、悩みながら少しずつ歩いてきました。
ある時、施設で「ノロウィルス」が流行し、感染を食い止めるために中・重度の認知症の入居者も居室で対応することになりました。といっても、認知症の方にずっとお部屋で過ごすことは大変な事だったと思います。自分で歩くことのできるAさんは、一日に何度も部屋から出てこられ、そのたびに職員が「すいません、部屋に行くので少し待っててもらってよろしいか」
職員は抑制しているのはいけないという罪悪感とこれ以上感染者を増やしてはいけないとの思いの葛藤でした。そんなある日、Aさんは扉を開け、「もう出てもよろしいか」と職員に尋ねてくれました。みんな重度でなかなか話も通じないと思っていたAさんの思わぬ問いかけに、Aさんにも一生懸命続けていけば通じるんだという思いが感動を呼び、その感動はすぐに他の職員に伝わり、事務所にまで伝わってきました。職員が固定配置され、なじみの関係を築き、みんなで情報共有できたからこその感動だと思います。
これからもケアの原点として、施設の運営理念「70人70様の暮らし大切に」を学んでいきたいと思います。
「『暮らしの継続』を進めると課題の解決策がみつかった。」(特別養護老人ホーム おおやま 佐藤稔)
2017年6月15日 更新
以前、入居者が骨折で入院された時、病院から「食欲がなく色々試してみたが、全然食べてくれない。施設ではどのように食べさせていましたか?」と問い合わせがありました。
施設でも入居当初食べてもらえず、本人や家族に昔の生活の様子を何度も聞き取りした人でした。
若い時から苦労してきた人で、捨てるのが勿体ないと思い、食事に手を付けないのでした。
日々の関わりから見えたのは、「食べたい物を食べたい分だけ食べたい人」でした。
目の前で本人に聞きながら、盛り付けをして食べて頂いていました。
職員が直接病院に行き、病院の認知症介護ケアチームと連携し関わりました。
その後、病院から「やっと食べてくれました。これで元気になるわ」と連絡が入りました。
普段の暮らし・自分らしく生活することを支援するユニットケアを進めていくと、課題の解決策が見つかります。
これからも、本人の考えや気持ちを身近に感じ取れる関わりをしていきたいと思います。
「受講者さんとの再会」(特別養護老人ホームせんねん村 萩森直紀)
2017年6月15日 更新
ユニットケア研修は座学3日間と実地研修5日間という、とても充実した内容になっています。
特に実地研修は5日間施設で実習するということで、私たちも受講者の皆さんと接する時間が多く持てます。
皆さんそれぞれの課題や悩みを持ってみえるので、こちらも一緒になって考えますが、後で適切なお手伝いができたのか不安になることもあります。
そんな時に嬉しいのが、「今度職員を連れて見学に行きたいのですが」という連絡。
つい最近も連絡いただきましたが、受講者さんとまたお会いできることと、施設で前向きに取り組まれてる話を聞いて大きなパワーをいただいています。このつながりがユニットケア研修の良さだと思います。