「職員に気づきをもらえるユニットケア」(特別養護老人ホーム 高秀苑 田中智子)
2017年6月1日 更新
ある入居者は、一日に摂れる水分が800ccと医師の指示で制限がありました。
とはいうものの人間って制限されるとかえって飲みたくなるものです。その入居者は、家族が用意した透明の水筒に一回に飲む量を線で決められていましたが、一回の量をあっという間に飲んでしまい「のどが渇いた。水を飲みたい。」と一日に何度も訴えておられました。
その様子を見ていたユニット職員が、どうにかして水分量を800ccに保ちながら、その方ののどの渇きを抑える方法はないものかと考えました。そして水を氷にして口の中に含んでもらうことにしたのです。そうすることで氷が融けるまでの間、のどの渇きは抑えることができました。また、水は凍らすことで体積が増えるので、同じ量でも多く見えたのです。
少人数体制で固定配置のユニットケアだからこそ、入居者の日々の様子を職員は細やかにみることができ、どのようなケアがいいのかを考えることで気づきをもらっています。