「施設長として 家族として」 (特別養護老人ホームみどりの郷 根田雅史)
2017年7月18日 更新
大正6年6月25日生まれ 要介護3 女性
つい2週間ほど前、施設で100歳を迎えられた入居者がいる。自宅にいた頃は、趣味である花の手入れや編み物をして過ごしていた。身体機能が低下した為入居をしたが、スタッフの支援により100歳になった今でも以前の趣味を継続して楽しんでいる。本人はまるで自宅に居るようだと笑顔で話す。
実は、この女性は私の祖母である。
私は4月から祖母の入居している施設の施設長となった。
祖母が毎日自分らしく生活している姿を見て家族としてとても嬉しく思っている。
私が感じた喜びをユニットケアの推進により多くの方に感じてもらいたい。
「職員とともに歩んだ14年 わかりやすい研修で施設改革を進めよう!」(特別養護老人ホーム神の園 齊藤裕三)
2017年7月3日 更新
神の園はユニットケアに取り組み14年になります。開設前は、まだ、全国的にもユニット型の例が少なく、従来型施設でユニットケアに取り組んでいる施設やグループホームなどに見学等に行き、開設の準備、ユニットケア導入を進めたことを覚えています。
14年の年月を経て、現在、日本ユニットケア推進センターで行われている研修は、14年間の様々な施設の実践を整理し、一つの方法論としてまとめられていて、開設当初、多くの情報に右往左往して、苦労して試行錯誤を続けたことを思えば、内容は明快で新しく開設する施設の大きな力となることは間違いありません。
お恥ずかしい話ですが、ユニット型への改築当初、半分以上の神の園の職員がユニット型への移行に強く反対していました。介護の方法も、施設のプログラムに沿って一斉介助、流れ作業的に進められていて、それこそ、やる気があり前向きに仕事に取り組みたい職員ほど、退職しやすい状況だったと言ってよいと思います。あれから14年、様々な改革を経て私たちの施設も大きく変わったと思います。見学に来た多くの学生が、神の園への就職を希望し、職員も前向きに楽しく働くことができています。これまでの14年間を振り返り、入居者の「その一人らしい暮らし」だけでなく、職員が「自分らしくいきいきと働くことができる」施設になったと実感している今日この頃です。
「『暮らしの継続』『自分の住まいと思える施設』は素晴らしい」(特別養護老人ホーム 一重の里 齋藤和男)
2017年7月3日 更新
毎週月曜日午前10時ごろ、トヨタカムリが施設の駐車場に到着する。70代半ばの男性が車を降り、施設の玄関を開け「おはようございます。」と、私たちに声をかけながら、エレベーターに乗り込んで3階東のユニットに入っていく。まるで、自分の家に入って行くようにごく自然に。行先は、奥様が入居されている居室である。そして、一晩、奥様の居室で過ごされて、翌日の午後にお帰りになる。
これは毎週繰り返される日常の風景です。奥様の居室は、ご主人が持ち込んだ奥様の使い慣れた箪笥やソファーが、ごく自然に置かれています。ご主人が施設に来られる風景は、ご夫婦が暮らしているお住いに帰ってくるような、ご主人にとってもご自分のお住まいであるような、そのような風景に見えます。
「暮らしの継続」と「自分の住まいと思える施設」を目指すユニットケアは、このような素敵なご夫婦の姿を垣間見ることが出来ます。