「知ることの大切さ」(特別養護老人ホーム高秀苑 森川信宏)
2017年11月15日 更新
私は介護職員として働き始めた頃、目の前にある仕事を真面目に取り組み、入居者さんに今の自分で出来ることを考えて一生懸命実践していた(つもり)でした。実際にそれなりの思いを持ち、頑張っていたと思います。数年後にユニットリーダー研修を受講して、“つもり”だったと言う事に気付き、まだやらなければならない事があることを学びました。
ユニットリーダー研修を受講して、自分達が働いている施設の建物や勤務の仕組みがなぜこうなっているのかという理由が少しずつ分かり、アセスメントの重要性、ケアを行う時に大事にしないといけない考え方が再確認出来たのだと思います。それによって、難しさを感じたことも事実ですが、諦めることだけでなく出来るんじゃないかという可能性も同時に感じたように思います。
現在は縁があって実地研修施設で働いていますが、日々実践者として入居者さんの為に取り組みを続けています。
皆さんもユニットリーダー研修を受講する事で、気付きそしてやってみようという思いを実感して頂ければと思います。
「自宅でない在宅」(有吉病院 有吉通泰)
2017年11月1日 更新
医療施設であっても自分らしく心地よく過ごしていただけるように、『自宅でない在宅』としてのユニットケアを導入して15年。私自身も歳を重ね、意欲は低下するとばかり思っていましたがとんでもない。歳を重ねるごとに体力が落ちていくことは仕方ないとしても、気力は萎むどころか、高齢者の気持ちが自分のこととしてわかるだけに、もっと、できることがあると思うのです。
先日、私と同じく団塊の世代の患者さまが脳梗塞を発症後、急性期治療を終えユニットケア病棟に入院されました。生活全般に介助が必要ですが、入院して真っ先にでた言葉が「ここは空気がいい。やっと元気になれそう。」。今後の目標はトイレでの自立ができれば自宅に帰ることです。オムツ外しの取り組みが個室化へのきっかけでしたので、こうして前向きにがんばる入居者さまをみると自分のことのように嬉しくなります。まだまだ、私もがんばろう!と。
「互いに信頼できる 大切な人へ」(特別養護老人ホーム結いの郷 吉田真一郎)
2017年11月1日 更新
「そろそろ起きられますか?」「お着替えはどうしますか?」「今日は何を食べましょう?」「お風呂はどうします?」…
『ユニットケア』により、日々の生活主体を入居者にお返しすることで、特別養護老人ホームで交わされるコミュニケーションが変化します。職員やお年寄りは、そうした変化を実感し、さらなる気付きを得て、生活の広がり、深まりを知るのですね。
真心を込めた関りの中から入居者の意思や意向、事実を伺い、さらに喜怒哀楽などの感情レベルへの共感をもって人間性を肯定的に尊重し合い、共に分かち合う、双方向的で水平な関係への深化がもたらされます。
そこにはもう、かつての職務矛盾は微塵も感じられないから素晴らしいと思うのです。