「ちょっとコーヒーでも飲んで行きませんか」(特別養護老人ホーム美里ヒルズ 中島 充啓)
2018年8月1日 更新
私は昨年末まで長く『従来型』と呼ばれる介護施設に勤めさせていただいていたのですが、その現場において自分が出来る事に限界を感じ、無力感に苛まれていました。『従来型』の施設全般を否定し『ユニットケア』に憧れた訳では決してなかったのですが、以前研修等で訪れる機会があった際、唯一未知ともいえる世界を垣間見た美里ヒルズに、新しい可能性を求めて入職させていただきました。
今年の1月に入職させていただき約半年がたちましたが、今とても安らいだ気持ちで働けている自分に、正直驚きさえ感じています。リビングに響く陶器の食器を洗う音、炊飯器からあがるご飯の良い匂い。何より生活感に溢れた設え。聞けばそれらは誰かに与えられたデザインではなく、ユニットケアの利点を活用しつつ、デメリットを補う為それぞれの職員や時に入居者から、日々の暮らしを楽しめるアイデアを、少しずつ少しずつ集めて形にしていったものだというのです。それはそうです。機能や事故防止にばかりとらわれて、職員も寛げない居室やリビングで、入居者の皆様が落ち着けるはずないですよね。今の姿が完成ではなく、日々変わりゆく状況に合わせて、まるで我が家と同じように、自分自身も入居者と一緒になって、新しい形を考え変えて行ける所にとても魅力を感じています。もしこの文章を読まれて、少しでも気に止まられたら、是非一報いただいて、入居者の皆様と一緒にコーヒーでも飲んで行ってください。きっと伝わるものがあると思います。