過去から未来へ(特別養護老人ホーム灯光園 松下 由香里)

2022年10月3日 更新

今年の4月、6年ぶりに特養の相談員に戻ってきました。同時に、ユニットケア研修実地研修の受入担当となり、私達の施設がどのようにユニットケアに進んでいったのかを振り返り、今後の私たちの進むべき方向について考えました。
以前の施設は昭和51年に建てられたもので、長く続く廊下に4人部屋が並び、ベッドの間はカーテンで仕切られているだけ、ほとんどの方が布おむつを使用しベッド上で食事を摂っていました。トイレは女性用が4つ、男子用が2つしかなく、日課は職員の業務に合わせて決まっておりトイレに行く時間まで決められていました。当時の私は業務をこなすことで精一杯で「これでいいのか?」と疑問に思うことも「もっとこんな風にしたい」と考える余裕もありませんでした。そんな中、お風呂をヒノキのお風呂に変え、入浴介助もマンツーマン対応となりました。その後、施設の建て替えの話が本格化したタイミングで長い廊下を3つに区切り、職員を固定化した【ユニットもどき】が完成しました。職員みんなでユニットケアに近づけるように設えなど試行錯誤しましたが、その頃はまだ入居者本人の「暮らしの継続」や「本人の望む暮らし」はできていなかったように思います。
平成19年、新しい施設ができました。そこから研修や話し合いを重ね、入居者お一人お一人の生活習慣や好みを尊重し、心身の状態に合わせたケアができるようになりました。
今年の6月には、コロナ禍で延期となっていたリーダー研修実地研修の受け入れを再開し、研修生からたくさんの意見をいただくことで、改めて自分たちの行っているケアを振り返る良い刺激となりました。今後も研修生の受け入れを行いながら共に学びあい、高めあい、入居者の皆さんがご自分の思い通りに暮らすことができる、生活の継続を支援していきたいと思います。

コロナ禍3年! 改めて思うこと!(特別養護老人ホーム賀宝の里 白松苑  弘中 庸介)

2022年10月3日 更新

コロナ禍になり、外出して友達に会ったり、離れて暮らしている家族に会ったりと、以前は普通に行っていたそういった機会にハードルを感じざる得なくなりました。もちろん、施設に暮らしている入居者にも影響はあるわけで、感染状況により面会控えや面会自体が禁止になったり、面会できたとしてもテレビ電話や窓越しでの対応となったりと、不自由と寂しさを感じるような形に変化していきました。
私たち施設の職員は、家族と満足に面会が出来なくなった入居者をそばで見てきました。面会によって入居者が家族からもらっている元気は、決して職員では補えないほど大きなものだということを改めて感じました。
とはいえ、そこで無力さを感じることもないと思っています。家族にしかできないことがあるように、私たちにしかできないことがきっとあると確信しているからです。
私たち職員は毎日のように入居者と接し、冗談を言って笑い合ったり、窓から見える景色を見て一緒に季節の移ろいを感じたり、時にはちょっとしたケンカもしたり・・・と、いつも寄添っています。そんな何気ない日常がが普通の暮らしであり、最も大切ものではないかと思います。
私たちは、入居者の家族にはなれませんが、介護を受ける側と提供する側というだけの関係でなく、時には家族の代りになり、時には人生の先輩として教えを請い、時には仲間のようにふれあう、そんな関係性を続けていきたいと思っています。

挨拶からはじまり、挨拶におわることがユニットケアのはじまり(特別養護老人ホーム賀宝の里 白松苑 増田 賀久)

2022年10月3日 更新

ユニットを一つの「家」として見立てた時、まず玄関から入るところからユニットケアが始まると考えています。
ユニット内に入ってくる時、ユニットスタッフは「ただいま」、他ユニットの職員は「お邪魔します」あるいは「ごめんください」と声を掛けながら入ってくるようにしています。最初は、「おはよう」と返事を返されていましたが、ある時を境に利用者さんから「おかえり、よ~帰ってきたね~」との返事が返ってきたことがきっかけとなり、こうした挨拶をしていくようになりました。
職員が退社する時はというと、「気をつけて、帰ってくるんよ~」という声を掛けてくださっています。当初は、なんだか家族にお見送りされているような感覚になり、とても嬉しく思ったことを今でも覚えています。
ユニットケアを通して入居者との寄添いの関係が築き上げられていたからこそ、入居者の言葉がそのように変わってきたのだろうと思っているところです。
ユニットケアでは、居室の設え、リビング空間の工夫、食事の提供の仕方等々、すべきことは沢山ありますが、まずは挨拶からはじまり、挨拶で終わるということを心がけ、「家」で過ごす何気ない日常、そこにある時間をこれからも入居者の方々と共有していきたいと考えています。

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