24時間軸のシートでケアの見える化を!!(特別養護老人ホームしろみ 平野 綾香)

2022年4月1日 更新

著者ユニットリーダー 平野 綾香   (社会福祉法人見松会 特別養護老人ホームしろみ)

私のユニットには、衣類での摩擦や少しの圧迫で内出血ができやすい入居者の方がいました。以前から内出血ができやすい方でしたが、最近は頻回にできるようになっていました。ユニットで、内出血事故の原因や対策を考え、取り組んできましたが、内出血事故が減少することはありませんでした。ご家族への内出血事故の報告も多くなり、「同じ介助者ですか?」「介助の仕方は?」とご家族へ不安と不信感を与えてしまいました。

ユニットだけでの事故の防止に行き詰っていたこともあり、機能訓練指導員・看護職員・管理栄養士・介護支援専門員等の多職種と一緒に介助方法の見直し、皮膚の状態や栄養面など、あらゆる角度から原因・対策を考え、抱えない介助方法や、いつ内出血ができたのかを明確化するために介助に入る前、入った後に皮膚状態の観察を職員2名で行いました。栄養面では低栄養による皮膚の弱さが内出血に繋がるリスクがあるため、補助食品を提供しました。その上で職員みんなが同じケアを行うことができるよう更衣介助・排泄介助の写真を活用した24時間軸のシートを作成してみてはとアドバイスをもらい作成しました。

言葉だけではなく、写真を活用することで、ひと目でみて介助の仕方が分かるため、職員みんなが統一したケアを行うことができ内出血事故を減らすことができました。この経験を活かして入居者・ご家族が安心して楽しく暮らしていただけるよう、ユニットだけでなく多職種とも協働し「暮らしの継続」を目指していきます。

ユニットケアとの出会い(特別養護老人ホームしろみ 森 美鈴)

2022年4月1日 更新

私が介護の世界に入った当初は、先輩職員の姿を見て、介助の方法を必死に覚えたものです。しかし、先輩職員によって、介助の仕方も教え方も違う、どの介助方法が正しいのだろうと悩む毎日でした。実際に自分自身がリーダーを指導する立場に立つと、理論的根拠は曖昧のまま、主観的な思いから指導している自身に気づきました。気づきのきっかけとなったのは、ユニットリーダー研修への参加でした。経験を活かすことはもちろん大事ですが、入居者の支援を行う際に大切な視点は、「本人の意向・好みを知ること」、「根拠に基づいた支援であること」そして、「職員が統一した支援を行えること」であり、そのツールとして24時間軸のシートがあることを学びました。

多職種と協働し、24時間軸のシートを充実させていく中で、職員の育成、指導方法にバラつきがなくなり、職員の不安感も減り、統一した介助を行うことができるようになりました。そして、入居者の方々も安定した暮らしを送ることができています。また、24時間軸のシート・一覧表を活用することで業務の改善や退職者の減少にも繋がりました。

まだまだ、改善すべき点は多くありますが、今後も中間管理職として、入居者の生活の質の向上と職員の働きがいのある環境つくりを目指して、ユニットリーダーと一丸となり、ユニットケアの運営と人材育成に取り組んでいきたいと思います。

リハビリ専門職はどのような役割が果たせるか(特別養護老人ホームおおやま 遠藤 拓也)

2022年3月1日 更新

一般的にリハビリ専門職が行う機能訓練は心身機能の回復や維持を図るために、1対1、もしくは少人数で行っていることがほとんどです。このリハビリの原則ともいえる関わりと暮らしの場であるユニットケアは一見、合致しないように感じてしまいますが、実はそうではありません。私なりの解釈ですが、ユニットケアとは「その人らしい暮らしを継続させること」だと思っています。リハビリーテーションも広義に解釈すれば、生活を回復・調整することです。そのため、本質的には共通していることが多いと感じています。

私がリハビリ専門職として一番大事にしていることは入居者様一人ひとりに定期的な個別の機能評価を行うことです。病気による特徴や制限はあるのか、足の力はどのくらいあるか、今後の予測など、専門的な評価が生活を調整することに繋がります。入居者様の出来る力を定期的に評価して、ユニット職員とケア方法を検討し、実行することが重要になります。

リハビリ職員として、直接的な関わりが少なくなるため、代わりに環境整備にも力を入れています。具体的なところでは福祉用具の活用です。車いすひとつでも、身体の特徴に合わせるために、座面の高さなどを調整できるモジュール型車いすの使用を基本にしています。その他にも姿勢崩れが強ければ、ティルト機能付きのリクライニング車いすを選定することもあります。おおやまでは124名の入居者様に対し、モジュール車いす50台・ティルト車いす30台。フルリクライニング車いす20台を導入しています。今後も随時更新する予定です。他にも介護用リフトなど、移乗用福祉用具の選定や活用なども推進しています。

このように自らの専門性を発揮しつつ、福祉用具の活用などを行うことで、入居者様の生活を支えることに繋げていきたいと思っています。

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