リハビリ専門職はどのような役割が果たせるか(特別養護老人ホームおおやま 遠藤 拓也)

2022年3月1日 更新

一般的にリハビリ専門職が行う機能訓練は心身機能の回復や維持を図るために、1対1、もしくは少人数で行っていることがほとんどです。このリハビリの原則ともいえる関わりと暮らしの場であるユニットケアは一見、合致しないように感じてしまいますが、実はそうではありません。私なりの解釈ですが、ユニットケアとは「その人らしい暮らしを継続させること」だと思っています。リハビリーテーションも広義に解釈すれば、生活を回復・調整することです。そのため、本質的には共通していることが多いと感じています。

私がリハビリ専門職として一番大事にしていることは入居者様一人ひとりに定期的な個別の機能評価を行うことです。病気による特徴や制限はあるのか、足の力はどのくらいあるか、今後の予測など、専門的な評価が生活を調整することに繋がります。入居者様の出来る力を定期的に評価して、ユニット職員とケア方法を検討し、実行することが重要になります。

リハビリ職員として、直接的な関わりが少なくなるため、代わりに環境整備にも力を入れています。具体的なところでは福祉用具の活用です。車いすひとつでも、身体の特徴に合わせるために、座面の高さなどを調整できるモジュール型車いすの使用を基本にしています。その他にも姿勢崩れが強ければ、ティルト機能付きのリクライニング車いすを選定することもあります。おおやまでは124名の入居者様に対し、モジュール車いす50台・ティルト車いす30台。フルリクライニング車いす20台を導入しています。今後も随時更新する予定です。他にも介護用リフトなど、移乗用福祉用具の選定や活用なども推進しています。

このように自らの専門性を発揮しつつ、福祉用具の活用などを行うことで、入居者様の生活を支えることに繋げていきたいと思っています。

暮らしの継続のために食事を通してできること(特別養護老人ホームおおやま 内山 桜子)

2022年3月1日 更新

特別養護老人ホームおおやまでは入居者様の食の歴史をご本人やご家族へ伺い、日々の食事や企画などに反映させています。それらをもとに厨房では栄養士と調理師で毎月企画を行っています。旬の食材を使用し、夏はうなぎのお寿司や七夕そうめん、秋には郷土料理の芋煮、新そばの時期には手打ちそばを提供しました。またコロナ渦で外出ができない今、少しでも外食気分を味わってほしいと喫茶店にあるような大人様ランチや施設の居酒屋スペースを利用した居酒屋企画なども行いました。

食事形態にとらわれず嚥下機能の低下がみられる方にも、見た目も味も楽しんでいただきたいと試作と工夫を凝らし取り組んでいます。普段食の細い方が進んで召し上がっている様子や、入居者様が召し上がりながら「昔はよく居酒屋に集まって仲間とお酒を交わしながら話したもんだ」、「食堂をやっていて若い人達にたくさんご飯を作っていたのよ」、「おそば屋に勤めていた、手打ちそばは水加減が大事だよ」など昔の暮らしを思い浮かべている表情がとても素敵でこちらが元気をいただくことも多いです。

「食」は人が良くなること。「暮らしの継続」のために食事を通して私は心と体に楽しみと栄養を届けたいです。時には疾患に合わせた食事制限や栄養強化が必要なこともありますが、入居者様のために今何を優先すべきなのか多職種と相談し合い「その人らしさ」を大切にしながらこれからも寄り添っていきたいと思います。

コロナと共に( 特別養護老人ホーム 天恵荘 山口 拓也)

2022年3月1日 更新

終わりが見えないコロナ禍の中で様々なことに悩みながら仕事に取り組んでいますが、特に大きく変化があったのは入居者様の心です。行事がなくなり、クラブ活動がなくなり、家族と会えなくなりと制限が多くストレスが溜まっている状態です。これまで当たり前のこととしていたことが出来ない状況が今も続く中で心のケアを行っていくことはとても難しいことです。

日々心境の変化のある入居者様に一番適したケアを行えているかどうかはわかりませんが、皆と話をしながら何か少しでも出来ることを探しながら取り組むようにしてます。他の施設と同様にテレビ電話やこまめな近況報告、食に対するアプローチの強化なども行っています。

取り組む中でいつまでこの状況が続くのかと不安になることもありますが、今だからこそ前よりも更に深いところでの寄り添ったケアを提供する絶好の機会だと思います。もちろん全てが上手くいくわけでもなく失敗も多くありますが、職員一人一人の想いがこのコロナ禍における新しいサービスの形として残り今に繋がっています。

これからも、ユニット型だからこそ出来る個別ケアの強みを生かし、入居者様だけでなくご家族様からも満足して頂けるサービスを提供していきます。

世の中は感染症対策で密にはなれませんが、心は密に…。

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