「いつもの人」(社会福祉法人寿光会 特別養護老人ホーム天恵荘 ユニットリーダー 西山 亮太)

2019年7月1日 更新

著者ユニットリーダー 西山 亮太   (社会福祉法人寿光会 特別養護老人ホーム天恵荘)

重度の認知症をお持ちのIさんは、朝目覚めると「私は何でここにおるとやろうか?」と不安な表情をされます。しかし、なんとなく見覚えのある職員(私)に声を掛けると少し安堵し、朝食のためリビングに足を運びます。しかし、その途中、「ごめん、やっぱりいきたくなか…」と足を止められます。理由を聞くと「知らん人のおるとやろ?そがん所にはいきたくなかとさ」と。そこで私は「Iさんの知っている人ばかりですよ。今朝もNさんがIさんはまだ寝ているのか?と待たれていましたよ」と伝えます。Iさんは「Nさん?誰やろか?知っとる人やろか?」と首を傾げ再び足を動かされます。リビングに行くと、周りから「おはようございます」と声を掛けられ、Iさんは「あんたやったね。知っとるばい。おはようございます」「よかった」と、そこでようやく安心されIさんの一日が始まります。

これは、私がいるユニットの入居者Iさんの毎朝の様子です。何を言いたかったかというと、Iさんは入居者、職員の名前などは覚えてはいないが、なんとなく知っている顔、いつもの人がいたということで安心されるのです。ユニットケアでは10人前後のユニットに専任の職員を配置することで“馴染みの関係”が築きやすい。また、少人数だからこそ、その人に寄り添える時間が多く理解が深まりやすい。天恵荘では、そのことを様々な場面で感じることがあります。今回はそんな、私が実感しているユニットケアの魅力の一つを紹介しました。

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