集団的なケアから個別ケアへ (特別養護老人ホーム みどりの郷 佐藤 利恵)
2020年12月1日 更新
私が介護職に就いて約12年が経ちました。初めに就職した先は老人保健施設で従来型、集団的なケアの施設でした。毎日決まった時間に起床、食事、排泄、入浴、就寝等の介助を行い、時間に追われ、入居者の方とのコミュニケーションもあまり取れない毎日でした。
震災をきっかけに今の施設に転職し、ユニットケアを知りましたが、始めは戸惑うことばかりでした。それまで集団的なケアでやっていたことが当たり前だと思っていたのですが、それが全くなく、時間がゆっくりと動いているかのように感じました。入居者の方とのコミュニケーションも増え、入居者の方から「○○さん、ちょっといいかい?」と名前を呼ばれたりして、信頼関係も築け、何よりも、入居者は“その人らしい生活を送って”いらっしゃるのです!
私もリーダーになり、ユニットリーダー研修に参加し、改めてユニットケアの大切さを学ぶことが出来ました。いかに入居者の方やご家族様に今までの暮らしと変わらない生活を提供できるか、認知症を抱えていても最期まで暮らしを感じることが出来るかなど、研修に参加して学んだことを実際に現場に持ち帰り、ユニットや居室の設えを考え、入居者の方やご家族様にどのような生活をしていたか等をお聴きし色々と取り組みました。私の施設では、看取り介護を行っています。ご家族様から「みどりの郷で最期を迎えられて良かったです。ありがとうございました。」とお言葉を頂いた時には、自分達がやっていたことは間違っていなかったんだなと改めて感じます。
現在私はショートステイの副主任をしています。長期入居で学んできたことを活かし、ショートステイでもその方らしい生活が送れるようにスタッフとケアについて日々相談し、頑張っていこうと思います。