新しい時代を迎えて(特別養護老人ホーム グレイスヴィルまいづる 淡路 由紀子)
2021年4月1日 更新
2020年度は、COVID-19に出鼻をくじかれ、正直なところ、関西弁で言うなら「さっぱりわやや」という気分でした。まさかの事態で、何もかも準備不足でしたが、面会制限を始めてすぐ、とにかく新たにタブレットを用意し、LINEのビデオ通話による面会を始めました。そのうち入居者のお写真を送信するようになり、やがてご家族の方から入居者だけでなくスタッフあてにメッセージが届くようになりました。今やLINEは、ご家族とのコミュニケーションに欠かせないものになりました。私は、ご家族と楽しそうにメッセージをやりとりしてるスタッフの姿をみながら、特別養護老人ホームの「サービス」とは何か、入居者やご家族にとっての「サービスの価値」はどのようにすれば高めることが出来るのか、スタッフの幸せとは何か、どんなふうにすればそれが実現するのかなどを改めて考えさせられました。とりあえずやってみる、やりながらどんどん改善していく、そのうち思っていたのとは違うけれども、うれしいサプライズとなって実を結ぶものだと思いました。COVID-19がなければ、気がつかなかったかもしれません。
さて、2021年度がはじまりました。COVID-19の脅威は未だ予断を許さない状況です。けれど、2021年はCOVID-19によって、期せずして新しい価値観、ニューノーマルがもたらされた、新しい時代の始まりです。新しい時代は、これまでのシステムやオペレーションを見直す大きなチャンスです。古い衣はこの際思い切って脱いでしまって、気持ちもあらたに、入居者に寄り添い、受けとめ、一人ずつと向き合うサービスを進めていきたい、満開の桜を見ながらそんなことを思っています。