コロナ禍における看取り(特別養護老人ホーム諫早中央 後田哲)
2021年11月2日 更新
私のユニットで2名の方をお看取りしました。一人目の方は身元引受人が姪で、県外在住でした。コロナ禍での面会は制限も厳しく、看取り期においては多少緩和されるものの、県外在住ということもあり、実現まで少々時間を要しました。幸いご逝去される前に面会出来ましたが、他のご親族との面会は叶いませんでした。
もう一人は、日頃からご自宅に帰りたいという想いが強い方でしたが、大家族故に、それぞれ考え方が違い、看取りの方向性が定まりませんでした。ご家族と話し合う機会も少なく、日に日に衰えていく姿、そして無情にも時間だけが過ぎていきました。結局ご自宅で最期を迎えることは叶いませんでしたが、本人から「ありがとう」という言葉を頂けたことは、介護職として感慨深いものがありました。と同時に、コロナ禍における看取りの難しさを痛感しました。
今や介護の現場も変革を迫られており、新しい一歩を踏み出す勇気が試されていると思います。この苦しい中でも一人ひとりの暮らし、尊厳を大切にし、こういう時だからこそ力強く前に進んで行きたいという思いを強くしました。