リーダー研修を通して学んだこと(特別養護老人ホーム大地の丘 三浦 延介)
2022年1月5日 更新
私がリーダーとして7年間取り組んできた中でも最も失敗したと悔やんだことを紹介しましょう。
リーダーに就いて半年くらい経ったときのことです。リーダー研修を受講し、実地研修を通して急がずにケアをすることの素晴らしさに感動しました。職員の話しかけるペースやユニット内を歩くスピードなど、色々な場面でゆとりをもって接することで、お年寄りの暮らしが豊かになっているように見えたのです。さっそく、ユニットに戻ってからゆっくりケアするようにしました。「自分の姿を見てくれれば周りのスタッフもわかってもらえるはずだ」と考え、誰にも何も言わずにゆっくりケアすることにしました。
一カ月後、結果は思い描いていたものとは正反対でした。自分がゆっくり動くようになったことで、色々なことが時間内に終わらなくなり、職員は焦って気持ちに余裕がなくなり、お年寄りに対する口調も次第に強くなってしまいました。他の支援員に何も相談せずに自分勝手に始めてしまった事を謝り、なんとか事なきを得ましたが、入居者はもとより、他の支援員にまで迷惑をかけてしまったことを後悔しています。それ以来、支援員にはいろいろな事を相談することを心がけています。なにか始めたいと思った時、まずはいつも近くにいる支援員に相談することから始めたことで、ユニット支援員に考えてもらう機会も増えました。
ゆとりをもって接することでお年寄りの暮らしが豊かになるというよりは、一日をどう過ごしたいかをしっかりとお聞きして、気持ちに寄り沿った関わりをしていくことが大切であることを強く実感しています。たくさんの方々に迷惑をかけましたが、大切な教訓を得られた苦い思い出です。