暮らしの継続のために食事を通してできること(特別養護老人ホームおおやま 内山 桜子)
2022年3月1日 更新
特別養護老人ホームおおやまでは入居者様の食の歴史をご本人やご家族へ伺い、日々の食事や企画などに反映させています。それらをもとに厨房では栄養士と調理師で毎月企画を行っています。旬の食材を使用し、夏はうなぎのお寿司や七夕そうめん、秋には郷土料理の芋煮、新そばの時期には手打ちそばを提供しました。またコロナ渦で外出ができない今、少しでも外食気分を味わってほしいと喫茶店にあるような大人様ランチや施設の居酒屋スペースを利用した居酒屋企画なども行いました。
食事形態にとらわれず嚥下機能の低下がみられる方にも、見た目も味も楽しんでいただきたいと試作と工夫を凝らし取り組んでいます。普段食の細い方が進んで召し上がっている様子や、入居者様が召し上がりながら「昔はよく居酒屋に集まって仲間とお酒を交わしながら話したもんだ」、「食堂をやっていて若い人達にたくさんご飯を作っていたのよ」、「おそば屋に勤めていた、手打ちそばは水加減が大事だよ」など昔の暮らしを思い浮かべている表情がとても素敵でこちらが元気をいただくことも多いです。
「食」は人が良くなること。「暮らしの継続」のために食事を通して私は心と体に楽しみと栄養を届けたいです。時には疾患に合わせた食事制限や栄養強化が必要なこともありますが、入居者様のために今何を優先すべきなのか多職種と相談し合い「その人らしさ」を大切にしながらこれからも寄り添っていきたいと思います。