リーダーとして難しいと思っていること(特別養護老人ホーム清明庵 佐藤 敏恭)

2021年2月1日 更新

私が勤めるユニットに転倒を繰り返す入居者がいました。清明庵では、その都度、状況説明の連絡を家族に入れています。今回、その入居者のご家族でキーパーソン(窓口)となっていただいている方が、体調不良のため、弟さんに代わるというケースがありました。そこでの出来事をお話しします。

私たちは、それまで弟さんとはほとんど関わることはなく、弟さんは、入居者の認知力やADL、暮らしぶり等の現状を十分には把握されていないようでした。にもかかわらず、施設から今までと同じように事故の状況説明の連絡を入れたものですから、弟さんは、転倒を繰り返し報告してくることに、だんだんと不安感や不信感が募り、こちらに対し怒りだすこともありました。

そのことから、私たちは、転倒などの報告することもさることながら、まずは本人の状態を知ってただくことが必要だと気がつきました。そこで、弟さんに理解してもらうために、その都度、現状の説明・暮らし方・病気の説明等を説明しました。そうすることで、弟さんはだんだんと怒り出すこともなくなり、「いつもありがとうございます」と言っていただけるまでになりました。さらには、支援について協力的に考えていただくようにもなりました。

私達が知っている本人像と家族が知っている本人像を、ある程度一致させておかないとズレが生じます。ですが、本人と家族の距離感や関係性は、人それぞれです。それを理解し、それぞれの家族が、現状をどうとらえているのか知ったうえで、どう働きかけていくのかということが必要だと思いました。入居者への個別対応はもちろんですが、家族に対しても個別対応が不可欠だと学びました。

今できることを(特別養護老人ホーム清明庵 村上 翔)

2021年2月1日 更新

新型コロナウィルス感染症は、2020年1月に日本国内で初の感染者が出ましたが、1年前は、世界がこのような状況になるとは思ってもいませんでした。あの頃は、入居者と「東京オリンピック楽しみだね」「札幌にも来るんでしょ。見てみたいね」と楽しみな話ばかりしていました。しかし、あっという間に今まで当たり前だったことができなくなりました。雪が溶ける前には入居者との外出や家族の面会が禁止され、春には緊急事態宣言が発令され、桜を一緒に見ることもできなくなり、オリンピックも夏祭りも中止になりました。こんなに何もできない1年はなかったと思います。寂しい気持ちや何もできない悔しさもありましたが、日々の暮らしの中で何かできることはないか、今何をすることがいいのだろうかとスタッフと一緒に話をし、考えることが多くなりました。

その中でこんな時だからこそ毎日出来ることをしようとなりました。入居者の重度化も進み、会話が減っていた中で、意識的に入居者と多く会話をする機会を増やしていきました。新型コロナウィルス感染症によって今までユニットで行えていたイベントが行えなくなったことで、コミュニケーションを今までよりも大切にするようになり、入居者の家族に会えない寂しさや、家族を心配する気持ち、普段気づけないことに気づくことができました。

さらに、少しでも不安を減らし、安心してもらえればと家族から電話が来た時やこちらから家族に電話をした時には、短い時間でも話をしてもらうようにしました。家族の声を聞き、「あー良かった。元気そうな声が聴けた。」と泣いて喜ぶ入居者もいましたし、家族も入居者の声を聴けたことで「安心しました」と電話をする前よりもホッとした明るい声になっていました。

今後は今行っていることを継続していき、入居者との会話の気づきを日々の暮らしにつなげていきたいと思います。

85歳の高齢者とWii(ゲーム)(特別養護老人ホームかしわ園 岡村 紀子)

2021年1月5日 更新

あるユニットのお話です。

そのフロアに行くと、あるユニットの複数の入居者様があてもなくフロア内を行き来する光景が暫く続いていました。2~3か月後、そのフロアに行き来していた入居者様方の姿はありません。ユニットに行くと、一人はお部屋で真剣な表情でWiiで遊んでおり、1人はリビングの端に作られた『ソファに座ってDVDが視聴できるコーナー』でドリフのDVDをみて爆笑され、1人は廊下から見えないように新たに木製の衝立が設置された陽のあたるセミプライベートスペースのソファに横になって雑誌を片手にうたたね、と思い思いのゆったりした時間を過ごされていました。ユニットの職員が、それぞれの入居者様について再アセスメントし皆でアイデアを出し合って取り組んだ結果が見事に表れていました。

またあるユニットのお話しです。ヘルプに入っていた時のことです。歩行がおぼつかないお爺さんが「俺の番だろ?」と焦ったように私のところに来ました。ひとまずイスに座ってもらい24Hシートを見ると、話し方が質問系の時はこのように答える、強めで方言混じりの時はこう返すなど、いくつか対応のパターンが細やかに記載されており、その通りに答えると、「そうか。じゃあ大丈夫だな」と安心した表情で部屋に戻って昼寝をされました。

かしわ園には12の特養ユニットがあります。それぞれのユニットで上記のようなエピソードが沢山あります。固定配置された職員と入居者の関係だからこそ入居者が安心して生活が送れるユニットケアにこれからも施設全体で取り組み続けたいと思います。

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