「ユニットケアに出会ったときの心象」(特別養護老人ホーム 第二天神の杜 平田倫代)
2018年9月3日 更新
私が初めてユニットケアに出会った時、一人ひとりの部屋があることや好きな物を持ち込めることや食事の時間が一斉ではないことにとても驚きました。
そのような中で、「人」として対応し、その人の「思い」に寄り添うケアをすることで、個別ケアの肝である「関わり」の魅力を知ることができたことが私にとって大きな学びになりました。
より良いユニットケアをするために、ユニットケアの理念を理解し、何でもしてあげるのではなくできることをして貰いながら、生活のお手伝いをすることが私たちの働き方の目指すところであることを念頭に置いて3つの方策を実行しました。
方策1 入居者をしっかり見て、気付けることが大切で「できるための工夫をする」こと。
方策2 チームの皆で試行錯誤しながら「できるための工夫を見つける」こと。
方策3 一人で頑張るのではなく、チームプレーで「暮らしの継続を守る」こと。
その結果、入居者から様々な課題を提示される度に、チーム力がアップし、入居者の思いを考えられる職員に成長させてもらいました。
入居者の思いに沿って共に考え、悩み、泣いたり笑うことが体験できるケアこそユニットケアの魅力であることを日々実感しています。
「真摯に前を向いて」(特別養護老人ホーム美里ヒルズ 梶島 美紀)
2018年8月1日 更新
私がユニットリーダー研修に参加したのは、平成21年の前期のことでした。普段観光で訪れている京都に、研修で訪れることに新鮮な気持ちがしたことを今でも思い出します。
座学での学びで刺激を受けたのはもちろんなのですが、同じ実習を受ける他の3人の受講者と仲良くなり、「こういったことで悩んでいて」という話や、実習先の施設の職員さんの「こういう方法もありますよ」というアドバイス受けて同じ思いを共有する仲間ができたということは大きな収穫でした。また、惜しみなくいろいろな情報やアドバイスをくださった実習施設の方には感謝するとともに、「自分たちも目標をしっかりと持って前進し続ければ、必ずここまで出来るようになる。」と密かに野望を抱いたものです。(笑)
そして何より施設を離れていることで自分の施設(入居者)への思いが募り、「忙しいという言い訳をして、入居者の顔を見ない介護をしていたのではないか。もう一度真摯に入居者と向き合おう。」と思えるようになりました。
あれから「もう9年経つのか」という思いと、「まだ9年しか経っていないのか」という両方の思いを噛みしめながら、「もう一度真摯に入居者と向き合おう。」と思った、暑かった京都を思い出しています。
「ちょっとコーヒーでも飲んで行きませんか」(特別養護老人ホーム美里ヒルズ 中島 充啓)
2018年8月1日 更新
私は昨年末まで長く『従来型』と呼ばれる介護施設に勤めさせていただいていたのですが、その現場において自分が出来る事に限界を感じ、無力感に苛まれていました。『従来型』の施設全般を否定し『ユニットケア』に憧れた訳では決してなかったのですが、以前研修等で訪れる機会があった際、唯一未知ともいえる世界を垣間見た美里ヒルズに、新しい可能性を求めて入職させていただきました。
今年の1月に入職させていただき約半年がたちましたが、今とても安らいだ気持ちで働けている自分に、正直驚きさえ感じています。リビングに響く陶器の食器を洗う音、炊飯器からあがるご飯の良い匂い。何より生活感に溢れた設え。聞けばそれらは誰かに与えられたデザインではなく、ユニットケアの利点を活用しつつ、デメリットを補う為それぞれの職員や時に入居者から、日々の暮らしを楽しめるアイデアを、少しずつ少しずつ集めて形にしていったものだというのです。それはそうです。機能や事故防止にばかりとらわれて、職員も寛げない居室やリビングで、入居者の皆様が落ち着けるはずないですよね。今の姿が完成ではなく、日々変わりゆく状況に合わせて、まるで我が家と同じように、自分自身も入居者と一緒になって、新しい形を考え変えて行ける所にとても魅力を感じています。もしこの文章を読まれて、少しでも気に止まられたら、是非一報いただいて、入居者の皆様と一緒にコーヒーでも飲んで行ってください。きっと伝わるものがあると思います。