外部研修特集&指導者の抱負(7月)

★国立保健医療科学院
“施設整備・サービスマネジメントにおける指導・助言の実際!”

【開催】 平成26年6月09日(月) 14時40分 ~ 17時30分
【開催】 平成26年6月10日(火) 09時30分 ~ 17時30分
【開催】 平成26年6月11日(水) 10時10分 ~ 11時40分
【会場】 国立保健医療科学院

 この研修は、都道府県、政令市及び中核市の高齢者福祉部局の施設整備担当者及びサービスマネジメント担当者を対象とした研修で、ユニット型施設(特別養護老人ホーム、老人保健施設、特定施設)の施設整備及びサービスマネジメントを適切に行うために、ユニットケアの理念・生活像・建物・運営・経営を理解し、事業者に対して適切な助言を実施するための知識を修得することを目的として開催されました。今回は、その中の「設備面への配慮」「個別ケアの実践」の講義と、「運営の仕組みづくり」「施設整備・サービスマネジメントにおける指導・助言の実際」の講義を担当させていただきました。

≪この研修の到達目標は次の4つ!≫
1.ユニット型施設の理念と生活像を説明できる
2. ユニット型施設の建物整備と運営・経営の特徴を説明できる
3.施設整備もしくはサービスマネジメントの留意点を列挙できる
4.事業者ならびに自治体職員に対して傾聴的態度を示しながら適切な助言ができる

主催者コメント:国立保健医療科学院 医療福祉サービス研究部 主任 森川 美絵

 本研修では、約100名の方が参加されました。
自治体職員の方が、ユニットケア施設の目指すケアの有り方や、その実現のために、どのような施設のハード面での整備や、ソフト面(経営・運営面)での対応が重要になるのか、それをふまえて行政として施設整備や施設運営にどのような助言等を行えるのかを、集中的に学べる機会は、必ずしも多くはないようです。吸収できることは全て吸収していきたい!という熱心さに満ちた研修でした。研修が進むなかで、自治体の皆様は、研修を通じて施設のあるべき姿を理解されるとともに、実際に目の当りにする施設ケアとのギャップに戸惑われてもいたようです。そのギャップを埋めるために、行政としてどのようなことができるのかという問題意識から、活発な質疑応答が繰り広げられました。
研修後のアンケートでは、研修の満足度、役立ち度ともに、非常に高い評価をいただき、研修担当者として安堵しているところです。
自治体職員の皆様の課題・問題意識に応えられるよう、研修企画段階から、秋葉先生はじめ講師の先生方が研修の趣旨・意図を共有してくださったこと、それを講義・演習内容に反映してくださったことが、研修の高評価につながったものと感じております。講師の先生方には心から感謝申し上げます。地域での良質なケアの普及にむけ、それぞれの立場でできることを果たしてまいりたいと、本研修の企画運営に携わらせていただくなかで、あらためて感じた次第です。

★いわてユニットケア研究会
“岩手県のユニットケア実践のレベルをあげる!”

【開催】 平成26年6月19日(木) 12時30分 ~ 18時00分
【開催】 平成26年6月20日(金) 09時00分 ~ 15時30分
【会場】 花巻温泉 ホテル花巻

 いわてユニットケア研究会は、平成19年にユニットケアの質の向上を目的に設立し、毎年ユニットケアに係わる研修を実施してきた団体です。今年度も、いわてユニットケア研究会会員各施設の融和を図り、岩手県のユニットケア実践のレベルをあげることを目的とし、第15回目の研修が開催されました。
今回は、「ユニットケアの基礎を振り返る」をテーマに、「ユニットケアの理念と意義」「住まいとしての暮らしの場」を中心に、講義・演習を交えた研修を行いました。施設管理者、ケアに携わる職員の一丸となった取り組みと姿勢は、非常に熱意の伝わるものでした。夜の懇親会でも質問が途切れることなく、施設の垣根を越えた語らいが繰り広げられていました。

主催者コメント:いわてユニットケア研究会 会長 (特別養護老人ホーム いこいの森 施設長) 伊藤 紀善

伊藤紀善

 いわてユニットケア研究会は平成19年8月20日発足いたしました。特別養護老人ホームが加入する団体としては、県・ブロック・全国と段階的にそれぞれありますが、ユニット型(個室)施設に於けるケアに関する研修は皆無でした。
私どもとしては施設職員に「ユニットケア」について勉強してもらいたいという強い思いから、有志で話し合い自分たちでその場を用意しようということになり、目的は「職員研修」に特化し活動を続けております。

主催者コメント:いわてユニットケア研究会 事務局長  (特別養護老人ホーム白梅荘 施設長) 中田 勇司

中田勇司

 この会は、温泉地に泊りがけで行うことが魅力の一つで、共に頑張る仲間とじっくりとユニットケアの取り組みを語り合う会として研修を開催しています。発足当初から秋葉先生をお迎えしており、今年でもう8年続けてきております。
最初は数施設の呼びかけで始まったこの会ですが、 今では41施設となり、共に学ぼうという志をもつ仲間が増えてきました。今回の研修会は、基礎を振り返ることをテーマに、秋葉先生による「ユニットケアの基本的な考え方」に始まり、「住まいと暮らし」「24Hシートの活用」等について具体的に学ぶことが出来ました。
また、新たな取り組みとしては、当会より今年2施設のユニットリーダー研修実地研修受入施設が誕生したことから、今回は特別養護老人ホーム花巻あすかの杜を会場に、施設の見学と、ユニットケアに取り組み始めてから、現在に至るまでの経緯を施設長からお話いただき、参加者のみなさんとディスカッションを行いました。研修初日の「ユニットケアの基礎」を振り返り、実際に具現化し始めた施設を目の当たりにし、そこに至るまでの苦悩や工夫を語り合えたことは、日頃悩みながら運営を指揮する施設管理者には非常に有効な時間となりました。時間が足りず、十分なディスカッションにできない部分はありましたが、効果的な研修のあり方の一つとして見出すことができました。こうしたことからも、これまでの研修の成果が少しずつ形になってきていることを感じます。今後とも施設が「暮らしの継続」を可能にできる場所となれるようこの研修を継続してまいりたいと思います。

 今年度、この研究会からユニットリーダー研修実地研修受入施設が2施設誕生しました。研究会発足から8年を迎えたこの会のさらなる飛躍を期待し、これからも応援をしていきたいと思います。

★富山県老人福祉施設協議会
“同じ立場の職員に情報交換の場を!”

【開催】 平成26年6月23日(月) 14時00分 ~ 17時00分
【開催】 平成26年6月24日(火) 09時00分 ~ 11時00分
【会場】 富山勤労総合福祉センター「呉羽ハイツ」

 “同じ立場の職員が情報を共有できる交流の場にしたい”という目的のもと開催されたこの研修では、従来型・ユニット型・グループホーム・養護老人ホーム等さまざまな施設種別のリーダーと、リーダーに準ずる職員の方を中心に実施されました。研修開催にあたり、事前アンケートを実施しており、その結果を踏まえたお話をさせていただきました。

★~★事前アンケートの結果★~★
≪ユニットケアに取り組む施設の悩み≫

  • ユニットになったことで1人になる時間が多くなった。一緒に仕事をしながら指導することが出来ず、新しい人が入ってもしっかりとした育成ができない
  • 重度化に伴い1人でケアできない利用者が増えてきている
  • 取り組み始めは一生懸命だったが、ユニットに慣れてくると職員のモチベーションが上がらず活気がない
  • マンネリ化。長くなると取り組む姿勢・意欲が低下していく

≪ユニットケアについて知りたいこと・講義して欲しいこと≫

  • ユニットケアの基本
  • ユニットの今後の方向性、先進施設での取り組みや工夫
  • ユニットリーダーとしてのあり方・姿勢、ユニットリーダー自身のモチベーションの上げ方
  • 個別ケアを実現するために各施設はどのような取り組みをしているのか
  • 既存の施設ではどのように取り組んで行けばよいのか
  • ユニットケアのメリット・デメリット

主催者コメント:特別養護老人ホーム 喜寿苑 介護長 山下 真由美

 今回は老施協主催の介護職員部会を、担当施設としてどのような研修内容にするのかから始まりました。10年前に介護職員部会を担当させていただいたときにも、秋葉先生に講師をお願いしました。そのときは、既存の施設でユニットケアを取り組み始めた時期であり、ユニットケアについて貴重なご指導をいただきました。そこから施設ケアの取り組みが変わり始めたことを覚えています。
それから10年、喜寿苑では色々と試行錯誤しながら、38床のユニット型個室の増床を経て、現在は既存と新館でのユニットケアを行なっています。しかし10年たった今でも迷い悩むことが多く、 もう一度ユニットケアを見直す機会として、今回秋葉先生に講演をお願いすることにいたしました。対象とする参加者やグループ編成については、先生のアドバイスをいただき、同じ話を聞くなら、同じ立場のスタッフが共通の悩みを相談し合えるようにとの配慮から、あえて参加者をリーダークラスの介護職員に絞りました。しかし各施設の中核となる職員がどの程度集まっていただけるものかとの不安もありました。ところが実際は、予想を超えて100名以上の中堅クラスやリーダーが集まることとなり、意欲ある介護職員の貴重な研鑽の場となりました。
講演では、リーダークラスのスタッフだからこそという先生からの厳しいご指摘もありましたが、むしろ参加者はたくさんの刺激をいただいたようです。1人1人のデーターをとることの大切さを改めて感じるとともに、「24Hシートを上手に活用していくにはどうしたらいいのか」という課題も残り、時間があればもっともっと話が聞きたかったです。 
今回の研修は、ユニットケアに取り組んでいる施設にとっては実践を反省する機会となり、またこれから取り組みを始める施設にとっては、自分たちのケアに対する意識やケア内容を見直すきっかけとしての刺激があったものと思います。そして先生には、懇親会でのざっくばらんな交流にも参加していただき、研修後、参加者からは「有意義な研修だった」とのたくさんのご意見を頂いております。皆様がこの研修を各施設へ持ち帰っていただくことで、今後の取り組みに生かされていくと思います。ご指導ありがとうございました。

★道北地区老人福祉施設協議会
“施設全体のボトムアップ ~個別ケアの具体的な手法~”

【開催】 平成26年6月26日(木) 14時30分 ~ 18時00分
【会場】 ANAクラウンプラザホテル稚内

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 介護現場の最前線を担う職員の方々に、個別ケアの具体的手法について理解を深めていただき、参加施設全体のボトムアップを図ることを目的に開催されました。今回の研修テーマは「個別ケアの具体的方法について」。道北地区老人福祉施設協議会会員78施設から介護職員の皆様と一緒にケアの基礎を見つめなおす研修をさせていただきました。

担当者コメント:平成26年度道北地区老人福祉施設協議会主催 介護員研修会
担当者コメント:特別養護老人ホーム稚内緑風苑 施設長 阿部 秀美

 「個別ケア実践の為の具体的方法とそのしくみ」をテーマとした今回の研修には道北地区の施設78施設から、86名の参加がありました。稚内から300km離れた施設からの研修受講もあり、関心の高さを示すものとだったと思います。道北地区は、ユニット型施設は少なく、ほとんどが従来型施設で、従来型施設での個別ケアの実践の研修を受講ができ、各施設実り多いことであったと思います。研修を受講した方の感想をご紹介します。

≪研修受講後の感想≫

  • 施設の位置づけや「入居」と「入所」「自律」と「自立」等、改めて理解することができました。
  • 介護に携わり2年半が過ぎ、以前の研修よりもユニットケアについての考え方と効果を知ることができました。
  • グループワークにより他施設の現状等、お話をする機会があり有意義な時間を過ごすことができました。
  • 秋葉先生の研修は、わかりやすく、聴きやすく、チャンスがあれば、また、参加させていただきたいと感じました。
  • 入居者に暮らしを続ける場所として生活していただくためには、24Hシートを充実させ、それを目安として、入居者に安心して生活していただける場所を作って行きたいと思います。

★社会福祉法人緑ヶ丘学園 特別養護老人ホーム稚内緑風苑 職員研修会
“最北端から最先端のケアサービスの提供を!”

【開催】 平成26年6月27日(金)  9時00分 ~ 11時00分
【会場】 緑ヶ丘学園体育館

 ユニットリーダー研修実地研修受入施設でもある、特別養護老人ホーム稚内緑風苑の掲げるスローガンは “最北端から最先端のケアサービスの提供を!”。この具現化に向け、職員の更なる意欲の向上を図ることを目的として、例年、職員研修に力を注いでいます。今年は、「個別ケア」「ホームケアについて」「24Hシートについて」の3つをテーマに主に、入職1~2年の職員の方々と一緒に理解を深めました。

担当者コメント:社会福祉法人緑ヶ丘学園 特別養護老人ホーム稚内緑風苑 施設長 阿部 秀美

≪研修受講後の感想≫

  • 私が介護の仕事を始めたときは、まだ、従来型の施設が多く、考え方が古かったです。稚内緑風苑で働かなければ、ユニットケアのあり方、個人の尊厳というものをここまで深く考え学ぶことはなかったと思います。そして稚内緑風苑で働けることをうれしく思います。
  • これからも入居者1人1人にあった支援の仕方を追求していこうと思いました。今回の研修は、自分の仕事に対する意欲を向上させるきっかけとなりました。このような機会をいただき、ありがとうございました。
  • 稚内緑風苑で取り入れ、活用しているシステムは、最新かつハイテクソフトであることを知り、そのような環境で仕事ができ幸せだと思いました。最後に見せていただいたスライドでは、従来型からユニット型になると五感が刺激されている様子を伺え、人間の尊厳を尊重するユニット型に真髄から感動しました。また、秋葉先生のお話を聞ける機会があることを希望します。とてもパワーをいただきました。
  • 稚内緑風苑は、職員にとっても、入居者にとっても良い施設であることを再度確認しました。また、先輩職員が頑張り良い施設にしてきたのだと話しがあり、引き継いでより良い施設にできるように頑張ろうと思いました。
  • 皆と稚内緑風苑について案を出し合い発表することで、改めて自分のいる施設を考ることができました。入居者様のアセスメントをして、しっかりとした情報共有で、より良いケアができるようチームで頑張って行きたいと思いました。

指導者としての抱負

社会福祉法人新生寿会 きのこ老人保健施設 支援相談員 川相 功

川相 功

 ユニットリーダー研修の指導者になって、早5年ですが、いまだに人にユニットケアへの熱い想いを伝えることの難しさを痛感している毎日です。
自らの施設では、時間をかけて伝えることが出来るのですが、休憩の合間や研修後に「こういうときは、どうしたらいいですか?」「もっと詳しく聞かせてください!」と受講者に尋ねられると、現場に対する真剣さがひしひしと伝わり、受講者の声を聞くたびに、いかに簡潔に伝えられるか、悩みます。
この研修の存在意義や、研修に対する責任感と使命感、そしてもっと努力しなくてはと、焦りを感じます。ひそかに施設が入居者にとってよりよい居場所になるように、現場の身近な話を中心に、受講者の皆様にわかりやすく、もっと理解を深めていただけるようにこれからも努力していきたいです。
施設が入居者にとってよりよい居場所になるように、現場の身近な話を中心に、受講者の皆様にわかりやすく、もっと理解を深めていただけるようにこれからも努力していきたいです。

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