『最期まで、自分らしく』(特別養護老人ホームきりしまの園 飯田 智雄)
2021年3月1日 更新
ユニットケアを始めて7年が経過しました。当時はコンクリートで寒々とした建物でしたが、木材を基調とした玄関やリビング、畳や障子など温かみのあるお部屋へと環境が変わりました。お部屋の設えは、ご自宅から馴染みの物を持ち込み、パブリックスペースなどは、田舎ならではの地域とのコミュニティを活かし、古民家や地域の方々から不要になった物を頂くなど、昔を懐かしむことのできる居心地の良い空間作りと地域に根付いた施設を心がけました。
環境が整うと、入居者の方々それぞれの居場所ができ、症状や行動にも変化が産まれました。これまでは、落ち着きなく歩き回られたり、1日を退屈そうに過ごされているような印象でしたが、職員、入居者共に会話や笑顔が増え、表情も豊かになりました。居場所と絆の大切さ、お一人おひとりを知るということの大切さに気付くことができました。これまでどのような暮らしをして、どのような想いで入居されたのか、どのような想いで最期を迎えたいと考えておられるのか、最期まで「自分らしく」暮らして頂けるようにと常に考えるようになりました。
今年度、ユニットリーダー実地研修施設となり、漸くユニットケアのスタート地点に立てたという思いです。皆様の施設に少しでも追いつけるように、アドバイスを頂きながら、より一層、ユニットケアへの理解を深めていきたいと思います。