雪国の暮らしとユニットケア(特別養護老人ホームビハーラ赤坂 萱森 賢雄)
2024年8月15日 更新
ビハーラ赤坂は日本有数の豪雪地帯、秋田県横手市にあります。今年は開設からちょうど10年目であり、かねてから目標としていたユニットリーダー研修実地研修施設として、新たなスタート迎えることができました。
開設当初を振り返ると、ユニットは広い空間にテーブルとイスがぽつぽつと並び、暮らしの場としてはとても淋しい雰囲気でした。入居者は食事をとったら居室へ戻る毎日だったと思います。建物の理論、物の役割について理解を深め、入居者視点で環境を整えることで、今では、ユニットに行けば誰かがリビングでくつろいでいる様子がみられるようになりました。施設名の「ビハーラ(Vihara)」の原意である「身心の安らぎ・くつろぎ」「休息の場所」になることができてきているのかなと感じています。
雪深い横手の冬の暮らしは大変ですが、雪景色は美しく、伝統行事のかまくらまつりは幻想的で一見の価値があります。また、豊富な雪は、春には水資源となって豊かな恵みをもたらし、1日1日暖かくなっていく喜びはひとしおです。
とはいえ、時に厳しい冬は、高齢者にとって、住み慣れた自宅での暮らしをあきらめなければならなくなる要因になっていることも事実です。今は支援者である私たちも、この街で年齢を重ね、いつか同じ問題に直面するかもしれません。我が事として、安心して自分らしく暮らせる場所、ここで良かったと思えるような施設になれるよう、ユニットケアを実践して参ります。
ユニットケア実践の取り組み(特別養護老人ホームビハーラ赤坂 岩村 洋樹)
2024年8月15日 更新
当施設は、平成26年6月に開設し、様々な困難もありましたが今年度より当初の目標でもあったユニットケア実地研修施設となる事が出来ました。
開設当初より24時間暮らしの支援シート(24シート)の浸透を軸に、まずは作成、そして集めた情報をどう支援に活かしていくか。各職員が頭を悩ませながらも一生懸命取り組んできました。
始めは作成していれば良い、24シートが出来ていれば良しといった雰囲気ではありましたが、いまでは定期的な更新や見直し、研修会の開催等を行い、より良い生活に繋がるよう取り組んでいます。
また、理念の浸透、重要性にも着目し、理念をもっと身近に感じられるように職員から理念を募集しました。そしてその中から、職員が自ら選び投票し『一人ひとりが自分らしく』という理念を掲げました。さらに理念を深めるための理念塾、各研修会の開催により、全職員で共有し今後のより良いケアに繋げていけるよう努めています。
その人が望むケアとは。自分だったらどう感じるのか。どうしたいのか。ケアに対する想いを持つ事も大事です。多様なニーズに応えられるよう、そしてビハーラ赤坂で暮らす入居者の皆さんが自分らしく暮らしていただけるよう、それぞれの想い、心に寄り添ったケアを念頭に置き日々の支援に励んでいます。
まだまだ、課題もありますが何か一つでも受講者の皆さんのヒントになる事があればと思っています。お待ちしております。