一人一人の暮らしに合わせたケアを目指して(介護老人保健施設きのこ老人保健施設 松原 研悟)
2020年11月4日 更新
昨年ユニットリーダー研修を受講して、私が一番印象に残っている事は、一人一人の暮らしに合わせたケアをする事の大切さです。私の研修先では、入居者の時間に合わせて食事を提供しており、起床時間もそれぞれの入居者に合わせ、また、机や椅子の高さも入居者に合わせていました。一日ユニットで過ごして、入居者も落ち着いており、時間がゆっくり過ぎていくのを感じました。やはり、入居者に合わせてケアしているからだと思いました。
少人数のユニットケアをする事で、入居者と顔なじみの関係になれます。例えば、出勤すると、ある方は、「あーさん、来てくれたんか」と言って下さいます。このような関係を持てるのもユニットケアならではだと思います。
現在、コロナの影響でなかなか外出が出来ない中、ユニットで季節を感じられるようにしたいと考え、「季節を感じられるユニットにする」という目標を掲げました。例えば、季節に合わせた花を生け、お月見には、すすきを飾り、お団子をお供えしました。入居者には、「きれいに飾っているね」と言われ好評でした。
また、夏には花が好きな方と一緒に朝顔を育てました。咲くのを楽しみに毎日水やりをして下さっていたので、花が咲いた時には、とても喜んで下さいました。
ユニットリーダーとしてこれからも、個別ケアを大切にしていき、多職種連携を活かして、入居者に合わせたケアを進め、入居者の笑顔を引き出していきたいです。
切磋琢磨を続け、暮らしを支えていく(介護老人保健施設きのこ老人保健施設 中井 澄子)
2020年11月4日 更新
きのこ老人保健施設では、ユニットケアを始めた頃より毎年、事例報告会として取り組んだ内容を各ユニットが1題ずつ発表する場があります。毎回、他ユニットの取り組みを見て、「そういうアプローチの仕方があるのか。」「あの方はあんな一面があるんだ。」「うちのユニットに同じように感じている方がいるから試してみよう。」とお互いに色々な刺激を受け、自分達の行っているケアが間違っていないか確認する場にもなっています。入居者の方がその人らしく暮らしていくにはどうしたら良いかという事を切磋琢磨しながら考え続けています。
必ず答えが出て、良い結果になるものばかりではありません。失敗する事もたくさんありますが、「ほら上手くいかなかった。」と思うのではなく、「それなら、次はどうしていこうか。」とユニットの皆で考えていく事が大切だと感じています。
今年の事例報告会も一人の方と向き合い、一人の方の思いを汲み取る発表、その方とスタッフとの思いの中で葛藤した発表等、どのユニットも試行錯誤した事を発表してくれました。悩んで、苦しんだ分だけユニットスタッフの結束も強くなっていきます。「その人らしく暮らしていく」事をユニットスタッフ中心に多職種がそれぞれの専門性を発揮して、きのこ老健全体で支えていきたいと思っています。
コロナ禍のおける取り組みについて(特別養護老人ホーム白駒の森 澤田キヌ子)
2020年11月4日 更新
皆様お元気ですか ご面会はどのようにしておられますか
今年2月、新型コロナウイルス感染症が世界中で広がり始めました。高齢者に感染すると重度化するということから、面会を制限しておりました。一時は小康状態と判断し、感染予防を徹底して1階の指定場所で面会を再開しましたが、第2波が押し寄せ、近隣で発生したこともあり、現在はガラス越しでの面会や電話でのお話しとさせていただいております。
白駒の森は、平均介護度4.4、平均年齢92歳(98歳~104歳17%、65歳~79歳17%・全員脳梗塞)、認知症で加算をいただいていることもあり、90%がⅢ以上です。ズームによる面会も検討しましたが差し入れなど”物”を持ってきていただくこともあり、現在の面会方法を維持しています。
そんな中、入居されている方に急変は絶対あってはならないということから、体調の変化に気づく体制に力を入れてきました。接遇委員会の今月の目標は“利用者様の体調の変化を見逃さないように気配りしましょう”でした。
今までは“私達はご家族からあずかっているのではなくご家族のできないことだけ支援させていただきます”という姿勢でやってきましたが、今はまさに大切なご家族を“お預かりしている”という形になってしまいました。3月からは、毎月お一人おひとりの日常の写真数枚を入れた現況報告と検査データなどをお手紙にしてご家族にお知らせしてきました。
こまめなケアが功を奏し(コロナのおかげで(ご家族の面会がないので)入居者様への思いも深くなり体調の変化を見逃さない努力をしていた?)、2月3月に看取りと言われてきた方が今もお元気でおられ、感動しております。このうえは、看取るぎりぎりにはお逢いして戴こうと考えておりますが、ご家族にユニットに入っていただく時には、防護服を着てもらわなければいけないのかしら?などと悩んでいます。
「介護は哲学、活きる支援」ですね。