6人部屋からユニット型個室へ(特別養護老人ホームエリザベート成城 施設長 俵木 伸子)

2023年9月1日 更新施設長

少し前のことになりますが、私が大学の社会福祉学科を卒業して特別養護老人ホームに就職した時、敷地内にあったもう一つの特別養護老人ホームは6人部屋でした。そちらの施設でも、私が勤務していた4人部屋の施設でも、入居の際、『荷物は段ボール箱2箱分くらいにして下さい』とお願いしていました。その当時、東京都内に全室個室の特別養護老人ホームがありましたが、救貧的な色合いが強い時代にあって、全室個室を実現させるには、並々ならぬご努力があったとお聞きしました。

そして今・・・。

社会福祉法人緑風会 特別養護老人ホーム エリザベート成城は、ユニットリーダー研修の実地研修施設となりました。この間の制度・高齢者の状態像・社会のニーズなどの変遷には驚くばかりですが、着実に入居者やご家族に安心してご利用いただける環境になっていると思います。

エリザベート成城では、2014年の開設以来、ユニットケアに取り組んでまいりましたが、従来型施設でのケアからの脱却は容易なことではありませんでした。ハード面だけの「なんちゃってユニットケア」で良しとしそうになった時期もありました。それを克服するために、実地研修施設を目指しての取組を始めました。良質なケアを恒常的に提供するためには、外部からの評価が欠かせないと考えます。その評価とは、これまでは推進センターの委員の皆様が主でしたが、これからは実習にいらっしゃるお一人お一人になります。それらの評価をいただきながら、ユニットケアの充実のために邁進していきたいと思います。

 

なぜ実地研修施設をめざしたか!(特別養護老人ホームエリザベート成城 小林 菜穂子)

2023年9月1日 更新

著者ゼネラルマネジャー 小林 菜穂子   (社会福祉法人緑風会  特別養護老人ホームエリザベート成城)

私たちは自分自身が入りたい施設、大切な人を任せられる施設にするにはどうしたらよいかを考えました。その結果がユニットケアの実践、そして実践する以上は誰かに確認してもらい、独りよがりのケアになっていないか、方向性が間違っていないか評価してもらう必要があると思いました。その手段として選んだのが実地研修施設をめざすことでした。ユニットリーダーからもこのことに関しては賛否両論。「今以上にやることが増えて大変になる」「そんなことをやってどうなる」等の厳しい意見もありましたが、幸いにもユニットリーダーの中には、「漠然とユニットケアをして行こう!と言うよりやるべき事が明確化された。」「24時間暮らしの支援シートの作成をして本当に良かった」と前向きな意見もありましたので、まずはその前向きなリーダーを中心に、取り組み始めました。その余波が他のリーダーにも伝わり、「自分たちも変わらなきゃダメだ」と言う雰囲気になってきました。

ユニットリーダーの「~したい!」と言う意見は出来るだけ否定せず「良いと思うよ」と進めました。ただそれが時にはリーダーに「何でもリーダー任せ」と思われてしまうこともあったようです。今となっては「好きにいろいろやらせてもらえて良かった」と言ってくれるユニットリーダーもいます。もちろんそんなことを言ってくれるリーダーには「それは信頼しているからだよ」と伝えています。職員全員の目的は「ケアの質の向上・入居者の暮らしの継続」です。その目的を果たす手段として、私たちは「ユニットリーダー実地研修施設になる」ことをめざしました。まだまだ通過点です。常に現状に満足せず、少しでも上を向き笑顔で入居者の皆様と関わっていきたいと思います。

入居者・職員を変えたユニットケア(特別養護老人ホームつるべ荘 施設長 島野 桂太郎)

2023年9月1日 更新施設長

特別養護老人ホームつるべ荘は石川県白山市にあります。つるべ荘は金沢市と近接した場所に位置しており、金沢駅から車で20分程度で来ることができます。

平成16年10月開設で、比較的早い時期から全館個室のユニットケアをやってきましたが、今年度石川県初のユニットリーダー実地研修施設の指定をいただくことができました。

 

私たちは、つるべ荘に入居した方が「ここに入れてよかった。」と思っていただける施設にするために、本当のユニットケアしてみようと、平成29年に実地研修施設を目指す決心をしました。

これまで15年近くやってきたことに、どこから手を付けて、どう変えていけばいいのか本当に悩みました。様々な取り組みを積み重ねては崩しの連続でしたが、日本ユニットケア推進センターの指導やほかの実地研修施設からのお知恵や事例を拝借し、小さなことから成功体験を職員で共有することで、ユニットケアのやりがい、おもしろさを感じるようになりました。そして何よりつるべ荘を職員が好きになってくれました。

この成功体験で大きいのは、入居者が介護を受ける人から、自立した暮らしをするひとりの人に変わっていったこと、そしてユニットと施設全体の空気が変わったことだと考えています。

つるべ荘の理念は

「みんなの幸せ みんなでつくる つるべ荘 ~感謝 やさしさ あたたかさを大切に~」

です。この理念は『自分たちの仕事とは、施設とは何か』職員で話し合って制定しました。

 

入居者の本人らしい暮らしを支える中で職員が入居者に支えてもらうこともしばしばです。暮らしの場で職員と入居者の2項関係になっていたユニットに入居者同士の相互関係も生まれました。このようにユニットケアで入居者の暮らしが実現しただけでなく、職員もたくさんの成長をすることができました。制定した理念が1つ実現できました。

これからも、皆さんから愛される施設になれるようこれからも精進してまいります。

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