「ユニットケアの可能性」 (地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護あおい 岩田 啓志)

2020年12月1日 更新

私が介護福祉士として、別の法人の施設で働き始めた頃、入居者様の「ありがとう」がとても嬉しく感じていました。一緒に笑って、悩んで、怒られて、少しずつ入居者様の人柄を知って、自分自身も成長して、出来る支援が増えて行きました。

何年か過ぎ「朝食までに全員起こせた」、「オムツ交換のスピードが速い」など、「業務」一辺倒で、“介護業務”としてのスピード重視の考え方になっていました。毎日同じ「業務」の繰り返しの中、さらなる自分の成長のため、意を決し、アパティア福祉会の従来型特養へ転職をしました。

従来型の本体施設で、私は「24Hシート」と出会い衝撃を受けました。24Hシートを理解するにつれ「施設」の日課、から「ご利用者」の暮らしへと視点が変わり始めました。しかし、スピード重視から入居者様のペースの考え方には変わったものの、従来型特養というハード面の限界もあり、動きは“介護業務”となることもありました。

そんな時、ユニット型施設あおいへ異動になり、初めてユニットケアに触れました。ハード面の限界がなくなり、本当の意味で「業務」から「個別ケア」ができる環境がそろいました。それは、毎日決められたスケジュールのルーティン業務という考えではなく、その日の入居者様の様子に沿った支援を行い、記録に残すことでより良い支援方法を追求して行けるユニットケアでした。介護福祉士の仕事に就いたばかりの頃、入居者様と一緒に笑って、少しずつ成長して行った時の気持ちを思い出しました。

私は「ユニット型施設あおい」で、24Hシートへの理解を深めながら、ユニットリーダーと情報の共有を目指しています。ユニットリーダーが知識を深めることで、ユニット職員へスムーズにユニットケアの素晴らしさを伝えていくことができると考えています。これを形にできた時、ユニットケア本来の可能性を活かせると信じています。

「学んだことをつなげていく」(地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護あおい 伊藤 真由美)

2020年12月1日 更新

ユニットリーダー研修を受け、「こういうところを真似してみたい」、「ここを変えていきたい」と、最初はやる気に満ちているのですが、他の職員との温度差があったり、否定されてしまったりすると、「自分だけやっても意味ないな」、「実地研修施設とは違うんだ」という気持ちになってしまう受講生が多いのではないでしょうか。でもそれってすごくもったいないことだと思います。計7日間も自施設を離れ、費用もそれなりにかかっています。それでもリーダー研修に参加させる理由は、基準のためだけではないと私は思います。

施設長からのコメントには、必ずと言って良い程「ユニットケアを学んで、自施設で展開して欲しい。」と書かれています。彼等ならそれができると信じて研修に出しているのです。

ですので、研修で学んだことを、ご入居者の暮らしの継続のため、一緒に働く仲間のために還元しなくてはなりません。「そんなこと言われなくても分かっているよ!」と言われそうですが、実は実地研修施設の「あおい」もかつてはそうでした。

ではなぜ研修で学んだことを取り入れることができたのか。それは、仲間をつくることと否定しないこととの二つです。どちらもリーダー研修のグループワークで皆さん実践してきたことです。研修後も、リーダー研修でできた仲間、実地研修の担当者に相談したり話を聞いてもらいながら、自施設でも共感してくれる仲間を見つけ、できそうなところや小さいことから取り組んでいく。そういう姿は必ず誰かが見てくれています。仲間も必ず増えていきます。その仲間には、それぞれの得意分野があり、思わぬ力を発揮してくれたりします。

ユニットリーダー研修が繋げてくれた縁をどんどん活用して、ユニットケアの輪を広げていくことは、ご入居者お一人おひとりの思いを大切にすることにつながっていくのではないかと私は考えます。

「理念の浸透」って、大事!! (特別養護老人ホーム みどりの郷 本多 さなえ)

2020年12月1日 更新

私の祖母が亡くなって、早1年が過ぎました。享年93歳、大往生だと思っています。祖母は、酪農をしていた両親に代わって一家の家事を一手に引き受け、野菜作りをしながら孫6人を育ててくれたました。亡くなる数年前に認知症を発症し、もともと難聴だった耳は聞こえなくなり、病気により両眼の視力も失いました。自宅では母が一人で祖母の面倒を見ていましたが、在宅での介護に限界を感じ、介護申請をし、認知症対応型デイサービスに通うようになりました。時々、ショートステイも利用し在宅介護を続け、その後、特養へ長期入居することになりました。長期入居してからはさらに認知症が進行しました。そのうえ、見えない、聞こえない状況で歩行したことで転倒骨折し、入院しました。手術を受け、施設に戻りましたが、その後は自力での食事摂取も難しくなり、歩くこともできず、多職種が試行錯誤しながら施設生活を支えてくれました。利用した施設は、すべて湖星会の施設です。

施設開設時は、介護職経験者は多くいましたが、「ユニットケア(個別ケア)」を理解し、実践することが難しく、「ユニット型で集団的ケア」をしている状態でした。ユニットリーダー実地研修施設の認定を受けることを目標に、理念を伝え、「個人の自由を最大限に尊重したい」という施設長の思いを伝え続け、実地研修施設になるには何が足りないのか、どのようなケアをしていくべきなのかなど話し合う時間をたくさん作りました。そして、「自らが入居したい、親兄弟でも入居させたい施設」を目指して施設づくりに取り組んできました。意思疎通が難しい入居者であっても、手探りながらどうケアしていけばいいかなどを考えて話し合い、実地に移してしてくれるスタッフには感謝しかありません。これからも、当法人の理念「自らが受けたいと思う、医療と福祉の創造」の下、ひとりひとりに寄り添ったケアを提供できるよう、ユニットケアに取り組んでいきたいと思います。

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