85歳の高齢者とWii(ゲーム)(特別養護老人ホームかしわ園 岡村 紀子)

2021年1月5日 更新

あるユニットのお話です。

そのフロアに行くと、あるユニットの複数の入居者様があてもなくフロア内を行き来する光景が暫く続いていました。2~3か月後、そのフロアに行き来していた入居者様方の姿はありません。ユニットに行くと、一人はお部屋で真剣な表情でWiiで遊んでおり、1人はリビングの端に作られた『ソファに座ってDVDが視聴できるコーナー』でドリフのDVDをみて爆笑され、1人は廊下から見えないように新たに木製の衝立が設置された陽のあたるセミプライベートスペースのソファに横になって雑誌を片手にうたたね、と思い思いのゆったりした時間を過ごされていました。ユニットの職員が、それぞれの入居者様について再アセスメントし皆でアイデアを出し合って取り組んだ結果が見事に表れていました。

またあるユニットのお話しです。ヘルプに入っていた時のことです。歩行がおぼつかないお爺さんが「俺の番だろ?」と焦ったように私のところに来ました。ひとまずイスに座ってもらい24Hシートを見ると、話し方が質問系の時はこのように答える、強めで方言混じりの時はこう返すなど、いくつか対応のパターンが細やかに記載されており、その通りに答えると、「そうか。じゃあ大丈夫だな」と安心した表情で部屋に戻って昼寝をされました。

かしわ園には12の特養ユニットがあります。それぞれのユニットで上記のようなエピソードが沢山あります。固定配置された職員と入居者の関係だからこそ入居者が安心して生活が送れるユニットケアにこれからも施設全体で取り組み続けたいと思います。

看護師としてユニットケアを学ぶ(特別養護老人ホームかしわ園 旭 奈央)

2021年1月5日 更新

病院勤務が長かった私にとって、初めて今の施設を見学した時、設備が家のようだなという印象でした。従来型とユニット型の違いも知らなかった私にとって“施設で暮らすこと”は“集団生活の場”というお粗末なイメージでしかありませんでした。入職後、ユニットケアにおける看護師向けの研修に参加させていただくとまさに目からウロコでした。「暮らしの延長」という分りやすい新鮮な言葉は実は奥が深く、看護師に求められる役割は病院とは全く異なります。早い時期に研修に参加し、学べたことはとても有意義でした。入居者全員と関わる看護よりも、固定配置で関わるスタッフは、入居者の一番の理解者です。実際、看護師が気に留めないような些細な変化に気付いてくれることも多く、「朝から様子がいつもと違うんです」と相談があった後に発熱することもあり、流石だなあ、と感心することがあります。この様に細やかに見てくれていると、入居する方やご家族も安心だろうなと感じています。施設では、ユニットケアを支えているスタッフを中心に他職種が関わっており、看護もその中の一つの役割を担っています。看護師もユニットケアについてしっかり理解することは、連携をスムーズにとるために必要なことです。それぞれが自分の職種の役割を発揮しつつ、連携することでより良い暮らしの継続へと近づくものと感じています。

新型コロナウイルスに負けない施設に(特別養護老人ホーム高秀苑 山下 聡理)

2021年1月5日 更新指導者

今、世界的に新型コロナウイルスが流行し、日本でも全国的に感染が広がっております。残念なことですが、8月に高秀苑でもクラスターが発生し、入居者・ご家族・職員に多大なるご迷惑をおかけしてしまいました。感染対策をしっかり行っていたつもりでしたが、まだまだ不完全であったと思います。その中でも、感染を広げず、収束まで1か月で何とか乗り切れたことにはいくつかのポイントがあります。

まず1つに、ユニットに職員を固定配置していたことです。職員が日々違うユニットに勤務することがないことで、感染拡大を防ぐことができました。実際、新型コロナウイルスに罹患した職員・入居者は、あるユニットに限定されています。

次に、フォロー体制がしっかり出来ていたことです。職員が罹患したり、濃厚接触者となれば、勤務できなくなります。その際に、応援に入る職員がスムーズに勤務できるように1日の暮らしぶりやサポートの必要なことが分かる24Hシートを作成していたことでした。また、日頃から他職種連携を心掛けていたことも重要なポイントとなりました。濃厚接触者として、介護職以外の職員も勤務できなくなってしまいましたが、勤務できる他職種を含む職員で、感染対応や消毒、保健所との連携を図り、一丸となり乗り切ることができました。

非常時こそ組織の強さが問われると感じました。また、常日頃しっかりとユニットケアに取り組んでいて良かったとも感じています。非常時に急に行動や考え方を変えることは難しいものです。

まだまだ安心できない状況は続いておりますが、そのような時こそ、組織の在り方を考え直す機会になるかもしれません。

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