入職してから思うこと(特別養護老人ホームゆうらく 吹野 美奈)

2021年2月1日 更新

私がゆうらくに入職し14年。当時はユニットケアという言葉も解らず、「95名の方に1人でどのようにリハビリをしたらよいのか」という悩みからのスタートでした。

関節可動域訓練や立位訓練を実施していた時期もありましたが、どれだけやっても一人では無理で、拘縮が進んだり、身体機能が低下してしまう人が多い現状がありました。

その後試行錯誤して今、言えることは「一人の力では何もできず、24時間サポートしているユニットスタッフと協力することで身体機能の維持・向上に繋げることができる」ということです。24時間365日の生活の中で、移乗、座位姿勢、排泄、入浴、睡眠などは必ずあることで、介助の仕方によってはその方の身体の緊張を亢進させ、拘縮を作ったり、褥瘡や意欲の低下などの二次障害を引き起こしてしまう原因にとなってしまいます。だからこそ、障害部位に対するリハビリではなく、福祉用具を使ってその方に合った入浴・排泄・移乗などの介助方法や座位・臥位のポジショニングの提案や指導を主に行っています。それによる効果はあり、そういった成功体験がユニットスタッフのモチベーションにも繋がっていると感じています。また、それ以外の関わり方としては、特養は“終の棲家”であるため、最期を迎えるその時まで一緒に笑って穏やかに生活していただけるように、その方の想いや過去の経験に繋がるような楽しみのある活動が出来ればと思います。これからも入居者様一人ひとりの暮らしが豊かになり「ゆうらくでよかった」と思ってもらえるよう、ユニットスタッフ、各専門職とともに考え取り組んでいきます。

ユニットケアの先に見えてきたもの~18年間を振り返り~(特別養護老人ホームゆうらく 山野 良夫)

2021年2月1日 更新施設長

特養「ゆうらく」でユニットケアに取り組んで、早いもので18年が経過しようとしています。ユニットケアが目指すところは、個々の「暮らしの継続」であり、個別ケアの提供と暮らしの場創りに邁進してきました(?)が、その先に「地域福祉」という一筋の光が見えてきました。時同じく、社会福祉法人改革という大きな波が押し寄せ、地域における社会福祉法人の役割や地域貢献の在り方が問われることとなりました。特に、地方の中山間地域の社会福祉法人においては、その役割の再確認と法人の生き残りを賭けた活動が強く求められています。その中で、行政・法人・地域住民等が連携し、「共生社会」の実現を目指し協働することにより、一億層活躍社会の実現と困難性が増大する「町づくり」に向けた新規事業活動に取り組むこととしました。具体的には、地域共生社会実現拠点施設「いくらの郷」の整備・運営への取り組みです。「いくらの郷」は、大きな社会問題化している「ニート・引きこもり者」の社会復帰に向けた支援と、併せて疲弊している中山間地域の活性化を目指した各事業の連動・連携を推進し、相乗的効果を期待するものです。「農福連携」を模索した事業展開を目指しています。これは縦割り型の事業展開ではなく、地域や住民サイドに立った他施策との連携・相乗効果を期待した「混在型事業」展開を図り、潜在化している地域の社会的課題の改善を目指した「横串」の事業展開を推進しています。「いくらの郷」のもう一つの大きな特徴は、これまであまり交流の無かった社会福祉法人連携(町社会福祉協議会・障がい者法人・伯耆の国)により、一つの事業推進を、夫々の法人が役割を確認・実行し、協働することです。この法人間連携は、夫々のノウハウの発揮と、法人機能・役割の再確認と共に、町づくりへの積極的参画を促すこととなりました。

このようにユニットケアは、施設におけるケアの手法としてのみではなく、施設を含めた「地域」を再認識させるという、とんでもない「機能」を持った思想であると確信することができました。

リーダーとして難しいと思っていること(特別養護老人ホーム清明庵 佐藤 敏恭)

2021年2月1日 更新

私が勤めるユニットに転倒を繰り返す入居者がいました。清明庵では、その都度、状況説明の連絡を家族に入れています。今回、その入居者のご家族でキーパーソン(窓口)となっていただいている方が、体調不良のため、弟さんに代わるというケースがありました。そこでの出来事をお話しします。

私たちは、それまで弟さんとはほとんど関わることはなく、弟さんは、入居者の認知力やADL、暮らしぶり等の現状を十分には把握されていないようでした。にもかかわらず、施設から今までと同じように事故の状況説明の連絡を入れたものですから、弟さんは、転倒を繰り返し報告してくることに、だんだんと不安感や不信感が募り、こちらに対し怒りだすこともありました。

そのことから、私たちは、転倒などの報告することもさることながら、まずは本人の状態を知ってただくことが必要だと気がつきました。そこで、弟さんに理解してもらうために、その都度、現状の説明・暮らし方・病気の説明等を説明しました。そうすることで、弟さんはだんだんと怒り出すこともなくなり、「いつもありがとうございます」と言っていただけるまでになりました。さらには、支援について協力的に考えていただくようにもなりました。

私達が知っている本人像と家族が知っている本人像を、ある程度一致させておかないとズレが生じます。ですが、本人と家族の距離感や関係性は、人それぞれです。それを理解し、それぞれの家族が、現状をどうとらえているのか知ったうえで、どう働きかけていくのかということが必要だと思いました。入居者への個別対応はもちろんですが、家族に対しても個別対応が不可欠だと学びました。

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