『施設』ではなく、『お家』を… 暮らす場所として(特別養護老人ホーム 結いの郷 理事長 安田 篤)

2023年10月2日 更新施設長

著者理事長 兼 施設長 安田 篤   (社会福祉法人悠 特別養護老人ホーム結いの郷)

はじめまして。愛知県丹羽郡扶桑町にある地域密着型特別養護老人ホーム結いの郷の安田と申します。
今年度より実地研修施設の仲間入りということもあり、身の引き締まる想いです。
平成24年より木造平屋建ての地域密着型特別養護老人ホームとして運営しております。
建築のコンセプトとして、『施設』ではなく、『お家』を。
人が人として当たり前に暮らせるように。いつまでの馴染みの地域で住み続けたい。いつまでも家族と関わり、本人らしく過ごしたい。
そんな想いをカタチにしたく、木造の平屋建て、また3つのユニットを分棟して『お家』を造りました。
廊下には畳を敷くことで、和風な日本家屋をイメージし、裸足で歩かれるお年寄りもいらっしゃいます。
施設や病院で入居者が靴を脱ぐことは少なく、靴を脱いで裸足で過ごすことができる環境も特色の一つと言えます。
地域密着型の大きな利点は、ご家族も近隣の地域に住まれており、来訪も非常に多い、加えて馴染みの地域だからこそ参加もしやすく、入居者ひとり一人の暮らしを継続できる場として存在して いることがあります。
2020年より新型コロナまん延に伴い、家族や地域と関わる機会が減っていき、社会から切り離された生活を送るお年寄り。その姿を見て、果たして自分たちは何を大切にやってきたのか?コロナを理由に人としての尊厳を守れているのだろうか?様々な疑問が湧いてきます。
ユニットケアに対する理解の浅さ、理念の浸透の薄さ、課題を抽出し、もう一度『施設』ではなく、『お家』を造った意味を考え、動き出すキッカケとなったのが、実地研修施設を目指すことでした。

一つ一つの体系整理が、日々を疑問に感じていた職員にとって、解決の糸口となりました。お年寄りの笑顔が増え、お年寄りとの会話が増えることで、この環境を活かす意味、目的を職員皆で共有出来ました。
少しでも笑顔と笑い声の多い『お家』(ユニット)にどうぞお越しください。

 

「ともに暮らし ともに生きる」(特別養護老人ホーム結いの郷 片桐 桃子)

2023年10月2日 更新

今年度より、実地研修施設として受け入れをスタートする事となりました。
思い返すと、新型コロナウイルス感染症の流行は、結いの郷においてもその影響を強く受け、入居者、支援員の日常は大きく変わりました。以前のような活気はなく、淡々と日常生活を送る場となってしまいました。ご家族との関係は希薄となり、地域とのつながりは断絶されました。コロナ禍で入職した支援員も多く、過去を知る支援員が少なくなりました。気が付くと、コロナ前を思い出として懐かしむ自分がいました。けれど、そんな閉鎖的な施設になってしまった中、「大変でしょう?」と私達を心配して下さるご家族がいて、毎年、以前と変わらず旬の畑の農作物を分けて下さる近隣の方々がいます。令和4年度、長く目標として掲げてきた実地研修施設に手を挙げる事は、大切な事を取り戻す、取り戻さなければ、というきっかけとなったのだと思います。
そして今。日々の暮らしの支援は、やるべきことがいっぱいです。しかし、そんな中、ほんのひとときを入居者と一緒に過ごす支援員の姿、微笑ましい姿があります。一緒にご飯を食べ、「美味しい」を笑顔で分かち合う。食後は休憩時間、一緒にソファーでくつろぎ、気が付けば、うたた寝する支援員。「みそ汁の具、何にしましょうか?」と、一緒に買い物に出かけ、買い物に行った方の特権で購入する果物やデザート。お風呂から聞こえてくる入居者と支援員の歌声。支援する、されるという関係を超えて『ともに暮らし、ともに生きる』。入居者が最期までやさしさに包まれながら暮らす事が出来る場所でありたい。「ここで暮らせて良かった」と。そして私達は「ここで働けて良かった」と思い続ける事ができるように。コロナ前を少しずつ取り戻しつつある今、これで終わりではなく、まだまだこれからだと感じています。多くの方々に見守られている事に感謝し、皆でこの場所を築いていきます。

ユニットケア推進について(特別養護老人ホームゆーとりあ 松江 炎)

2023年10月2日 更新施設長

特別養護老人ホームゆーとりあは大阪府堺市中区にあります。平成27年4月に新設し、当初から実地研修施設になることを目標にしてきました。
ユニットケアを推進していくには理念を共有し、全職員が同じ思いでそれぞれの役割を果たしていくことが大切ですが、長い年月の間には職員の入れ替わりもあり、理念を常に発信し続けることの重要性をこれまでに痛感してきました。今年は阪神タイガースがリーグ優勝を果たし、関西はとても盛り上がっていますが、岡田監督が発した「アレ」というキーワードを常に掲げ続け、チーム内だけでなくファンや一般市民を巻き込んで、ひとつの目標に向かっていったことは、チームワークという観点において、ユニットケア推進における理念の浸透に通じる部分があると思いました。加えて「具体的でわかりやすい方針の実践」、「各選手がチーム内での自分自身の役割やできることを理解、実行したこと」等が「アレ=優勝」につながったのではないかと思いました。

このたびゆーとりあは実地研修施設となり、9月から研修生の受け入れをさせていただいています。実地研修施設となるまでに、開設当初の目標よりも年月がかかりました。その間、新型コロナウイルス感染症の流行もありましたが、業務改善・生産性向上を図るため、新たな記録デバイスの導入、介護マニュアルの見直し、介護報酬改定に対応するための情報共有システム活用等、ユニットケアを推進するための基盤作りを行ってきました。また、コロナ禍で人や社会とのつながりが断たれ、ご入居者とご家族が自由に会うことができなくなり、ソーシャルディスタンスやマスク越しのコミュニケーションを経験したことで、全職員が「関わりの大切さ」を感じ、ユニットケアをさらに推進する原動力になったのではと思っています。

初回の研修生受け入れの際に、ユニットリーダーや職員が気負うことなくいつも通りのケアを行い、自分たちが行っているケアについて根拠を丁寧にご説明し、挨拶や言葉がけをすすんで行っている様子等を見ていると、ゆーとりあはこれからも皆で成長していける、と感じました。まだまだ改善しないといけないことはありますが、皆で理念を共有し、実現に向けて地道に取り組んでいきます。

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