施設から家つくりへ(泊村 むつみ荘 施設長)

2025年5月15日 更新施設長

著者施設長 野崎 幸男   (泊村特別養護老人ホームむつみ荘)

 今年度よりユニットリーダー研修実地研修施設となりました、北海道泊村にあります泊村特別養護老人ホームむつみ荘施設長の野崎と申します。宜しくお願いします。

 私たちの施設は昭和49年に開設し、泊村が設置運営してまいりました。施設の老朽改築工事に併せ、平成25年4月から社会福祉法人黒松内つくし園が指定管理者となり運営を行っております。

 ユニットケアの始まりは、新しい建物がユニット型施設となる事が決まってからです。平成22年当時のむつみ荘は、廊下も長くうす暗い、食事は配膳車で運ばれ職員があわただしくトレーをとる、入浴も数人が一斉に入浴し廊下には列をつくっている状態で、居室も多床室、全てにおいて定時に介護をするという、私たち自身も入居したくない。自由がない施設でした。最先端施設の視察や、ユニットケアの勉強会を行うにつれて、課題も多々ありましたが、我々職員の意識が大幅に変わりました。平成25年からユニットリーダー実地研修施設の指定を目指すことを一つの目標に掲げ、13年たちましたが今年度スタートラインに立つことができました。これまで、ユニットリーダー実地研修施設に指定されるまで、1度不合格となり、さまざまなエピソードもありました。

 私が(自分が)将来住みたい施設(家)をつくれるよう、職員一丸となって目指していきます。まだまだ未熟でスタートラインに立ったばかりのむつみ荘ですが、海に囲まれ自然が多すぎる村です。夕日がきれいです。ぜひ一度遊びに来てください。

  

 

「自分が入りたい施設」を目指して(泊村 むつみ荘 主任介護員)

2025年5月15日 更新

著者主任介護員 外村 真紀   (泊村特別養護老人ホームむつみ荘)

 北海道古宇郡泊村にある泊村特別養護老人ホームむつみ荘で主任介護員をしています外村です。むつみ荘では入居者へ「入居前の暮らしの継続とその人らしい生活をしていただくこと」を大切にしていますが、正直時間に追われ職員都合での声掛けや入居者にゆっくり関わる事が出来ない事が多々ありました。施設の建物は綺麗で立派、個室でプライベート空間はしっかりしているが、『このままで入居者は「ここに来てよかった」と思ってくれているのか?』と考えていたところ、実地研修施設募集の案内があり、初心に戻り今一度ユニットケアを理解する勉強の場だと思い、取り組みました。
 
 手厚い短期集中サポートを受けさせていただき、まずは入居者一人ひとりを知る事と24シートの見直しに取り掛かりました。ケアプランとの照合性や聞き取りシートの活用、排尿データをとる事から始めた結果、紙パンツを使用していた入居者が布パンツに変更することができました。何より家族から「こんな日が来るとは思わなかった」と笑顔で話された事は印象深く心に残っています。また、なじみの家具の持ち込みや入居者の様子や家族が心配している事を一緒に考え、以前より家族と共有する場面が増えたように感じるようになりました。リビングの設えに関しては各ユニットリーダーが中心となって家具や観葉植物を増やすなど初歩的な事から考え直し準備しました。
 全てが一から学ぼうと必死で、リーダーからユニットケアについて取り掛かっている事や協力してほしい事をユニット職員に上手く伝えられず事後報告が多々あった事は反省しなければなりません。何事もリーダーだけでなくユニット職員も一緒に考えながら取り組む事でいろいろな視点から考える事とチームワークの大切さにも改めて気付きました。
 
 困っている時や迷っている時は施設長はじめ多職種にも相談し入居者に寄り添うことを一番に考え、その人らしい生活(暮らし)を考えています。実地研修施設となりたくさんの出逢いがあると思います。私達の施設は皆さんからのご意見やご指摘を受けながら成長していきたいと思っております。泊村は小さな漁村ですが、海がとても綺麗で釣り人もたくさん来られ入居者の皆さんは魚を骨だけきれいに残し食べられます。ぜひ見ていただきたいです。最後に施設長がいつも話されている「自分が入りたい施設」を目標に職員一丸となって入居者と家族の幸せの為に日々努力し実地研修施設として成長していきたいと思っております。

失敗の先に見えた本質(ラ・ポール有田 施設長)

2025年5月15日 更新施設長

著者施設長 川上 真也   (特別養護老人ホーム ラ・ポール有田)

 社会福祉法人実寿穂会は、『実る寿の穂』と書いて、それを法人の名称としています。青い稲穂は子供たち。太陽を浴びて、すくすくと成長してほしいという願い。そして高齢者にあっては金色に輝く実を実らせ、良い人生だったと周りの人と一緒に、それを寿い(ことほい)でほしいという願いが込められています。法人の本部は長崎県長崎市にあり、社会福祉法人として昭和50年から保育事業、高齢者事業を展開し、平成27年3月に特別養護老人ホームラ・ポール有田を開設しました。

 私は、当時介護長という役職で、ユニットリーダーと一緒にユニットケアを形にするという目標を掲げ、取り組んでいました。しかし、当時の職員からは、「ユニットケアなんてできない」と一斉一律のケアから脱却できず、結局は職員の都合のケアで入居者の生活が画一的になってしまっていました。「開設5年で実地研修施設に合格する!」という大きな使命が私の心に重くのしかかり、ユニットケア推進委員会を立ち上げ、居室のしつらえ、ユニット内のしつらえ24シートの改善に、猛スピードで取り組んでいきました。その結果、私は、ユニットリーダーと一緒に取り組んでいたつもりでしたが、実際は、当時のリーダーたちにプレッシャーを与え、急がせ、自主性を奪い、やらされているという気持ちを強くさせてしまいました。リーダーたちがどんどん疲弊していく姿を目の当たりにし、本来の介護のやりがいや入居者本位のケアになっていないのではないか?と進め方を間違っていたと気づかされ、反省をしました。

 そこで、今回、実地研修施設を受けるにあたっては、リーダーたちの自主性を大切に、もう一度、理念に立ち戻り、「何のためにユニットケアをやっていくのか?」「実地研修施設に合格することが目的ではなく、理念を具現化し達成することが、入居者のより良い暮らしにつながる。」ことを再確認し、暮らしの基盤を作るため、再度、ユニットケアの考え方を職員と共有することから始めました。
 どうしたら「その人らしい暮らし」に繋がるのか、入居者1人ひとりに向き合いながら今を取り組んでいます。地域のユニットケアの模範施設として恥じない施設作りをしていきたいと思います。

 

  

 

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