入居者の理想郷を目指して(サンシティ北条 施設長)

2025年6月18日 更新施設長

著者施設長 船田 信矢   (特別養護老人ホーム サンシティ北条)

 社会福祉法人白寿会 高齢者総合福祉施設 サンシティ北条は2020年9月に開設しました。眼下には瀬戸内海が広がり、豊かな自然環境や社会資源に囲まれたこの場所で、グループ・法人で初のユニット型特別養護老人ホームを運営しております。
 開設当初は手探り状態で、ユニットケアに対する理解が乏しく、一律の介護から脱却できずにいました。そんな疑問の中で、入居者に施設を『住まい』と感じて頂き、これまでの『あたりまえの生活』をどう営んで頂くか、そしてこの地域で入居者・職員に選ばれる施設となっていくには…。当施設の選択は、県下初のユニットリーダー研修実地研修施設を目指すことでした。
 ユニットケアを突き詰める中で、その課題を抽出し、共用空間、ハード面の構造上の問題を改修し、厨房調理からユニット内での提供へ変更。個別性のある入浴、食事、起床・臥床の時間設定やケアの視点の醸成。入居者の生活に違和感なく溶け込めるよう、職員の制服を私服へと移行しています。理念の浸透と施設のあるべき姿を、入居者・各職員と共有し、刷新された運営がスタートしました。その結果、「施設のイメージが変わった。」「ここで介護の仕事をしてみたい。」との評価の声、「ここで最期まで暮らしたい。」との希望が多く寄せられるようになりました。
 入居者自身に暮らしをあきらめさせてはいけない。環境移行による入居者の喪失感に対し、固定概念を捨て入居者の個性や希望を汲み取り、一緒に乗り越えていくことが、ユニットケアの可能性であり、最大の魅力であると改めて感じています。
当施設は実地研修施設として歩みだしたばかりで、ユニットケアで実現したい多くの夢があります。この地域で当施設を選び、同じ時間を過ごす入居者、仲間達と一緒に夢を語りながら、ここにしかないユニットケアを更に追求していきたいと思います。サンシティ北条が、入居者、職員の笑顔で溢れ光り輝く理想郷となるために…。

         

         

『ここで良かった』と思ってもらえるように…(サンシティ北条 介護部長)

2025年6月18日 更新

著者介護部長 重見 美紀   (特別養護老人ホーム サンシティ北条)

 愛媛県松山市にある特別養護老人ホームサンシティ北条の介護部長 重見です。私たちは2020年に開設しましたが、新型コロナウイルス感染症の拡大により入居者へ思うような暮らしの提供ができず、ご家族には面会や外出の機会も殆どないなか、統括責任者より「愛媛県第1号のユニットリーダー実地研修施設を目指そう」と相談がありました。ユニットケアがどういうものなのか想像もつかず、直ぐに返事は出来ませんでした。

 私たちはユニット型ではありますが、一斉介護を行っており入居者一人ひとりの暮らしを考えたケアとは程遠く、『ここで良かった』と思ってもらえるケアを目標にしていたことすら忘れかけていました。入居者の暮らしに目を向けた時、皆が同じ暮らしをしている事に違和感がなく、入居者からの『起きたくない・食べたくない』という言葉の意味を理解していなかったと感じ、入居者の暮らしが少しでも豊かになれば…との思いで、ユニットリーダー実地研修施設を目指そうと決意しました。

 サンシティ北条の理念である「自分らしい暮らし」が継続できることを第一に考え、推進センターの短期集中サポートを受け、ユニットケアを一から勉強し直し、「利用者」ではなく「入居者」へ呼び名を変える事から始めました。

 ご家族や地域の方々に声をかけ、沢山の家具や小物などを譲っていただき、入居者の居室に自宅で使用していた学習机や趣味で作られたパッチワークの小物などを持ち込み、暮らしの場へ変わった時に入居者が馴染みの物に囲まれ、表情豊かになっていく姿を見て、沢山の方々の協力のお陰で暮らしが豊かになっている事を実感する事が出来ました。

 取り組みを開始し、約1年半の間、気持ちが途切れ涙する事もありましたがユニットリーダーを中心に入居者の暮らしが豊かになるよう頑張っている姿を見てとても心強く頼もしく思います。『ここで良かった』と思っていただけるよう実地研修施設としてスタートとして行きたいと思います。

「開設から20年目のチャレンジ!!」(菜の花館 施設長)

2025年6月18日 更新施設長

著者施設長 堤 春彦   (特別養護老人ホーム 菜の花館)

 特別養護老人ホーム菜の花館は2005年8月に群馬県北毛地域ではめずらしく全室ユニット型特養として開設しました。「地域に根差した施設でありたい」と言う強い思いから、施設名を広く募りました。昭和村の和の一字を頂き「社会福祉法人なごみの杜」とし、暖かさ、明るさ、優しさ、懐かしさをイメージさせる菜の花から「菜の花館」としました。
 開設当初よりユニット型特養として「施設らしくなく、家庭のように家族のように」を合い言葉に、基本理念の「そのひとらしくいきいきと」のもと、職員は理念を具体化するケアをケンカしながらも理想とする施設作りに取り組んでいました。当時を振り返ると自分も若く、リーダーをはじめ職員一人ひとりが自分の目指すケアを確立したく、入居者のために何に重きをおくべきかを毎日考えていたのだと思います。自由でもあり、活気に満ちあふれ愛着のある菜の花館でした。
 8年ぶりに帰ってきた「菜の花館」は職員の入れ替わりやケアの考え方、コロナ渦で作業的なケアになっており、かつてスタッフや入居者が目をキラキラさせていた頃とは思えない「施設」に様変わりしていました。
 『えっ?開けた扉を間違えた?、どうしよう・・誰か助けて!!』『いやいや、でもやるしかない、未来の扉は自分達で切り開くしかない』と決意し日本ユニットケア推進センターの扉を開けたのです。一瞬で世界を変える道具はありませんが、センターの方をはじめ多くの方のアドバイスを受け、スタッフみんなで知恵を出し、思いを形にできた気がします。スタッフや入居者の目の輝きや笑顔が少しずつ戻ってきたと感じています。まだまだ伸びしろしかない『菜の花館』です。おいしい野菜と緑あふれる昭和村の新しい扉を開いた菜の花館でお待ちしています。

   

 

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