幸福を一緒に創る場所を目指して(おおとよ荘 施設長)
2025年7月25日 更新
香川県観音寺市、瀬戸内海と讃岐山脈に囲まれた自然豊かな地にある特別養護老人ホームおおとよ荘は、2014年に開設され、今年で11年目を迎えました。そして本年、香川県で唯一のユニットリーダー研修実地研修施設としての指定を受けることができたことは、私たちにとって大きな誇りであり、節目となる出来事でした。
私たちがユニットケアを目指すことを決めた原点には、「安心・安全・信頼の提供」「地域を豊かにする拠点となること」「利用者の幸福を追求すること」という法人理念と「『感謝』と『尊敬』を忘れず、その人らしく生きることを支援します」「全員参加で組織運営しスタッフの働きがいと幸福を創ります」「地域から信頼されるため自分自身を進歩向上します」という行動指針がユニットケアの考え方と合致したことにあります。
限られた準備期間のなかで、職員全員で試行錯誤を繰り返しながら、「おおとよ荘らしいユニットケア」を少しずつ形にしてきました。
入居者一人ひとりが“自分らしく”暮らせるよう、生活リズムに合わせたケアや、居心地のよい空間づくりに力を入れています。また、入居者やデイサービス利用者が自由に買い物を楽しめるよう、24時間稼働の売店も設置するなど、地域とつながる取り組みも進めています。
これから実習に来られる皆さんには、ぜひユニットケアの現場で、入居者に寄り添うケアの大切さを体感していただきたいと思います。私たちもかつて、理想と現実のギャップに悩みながら歩んできました。けれども、そのなかで入居者の笑顔や小さな変化に出会えたとき、ユニットケアに取り組む意味とやりがいを実感してきました。皆さんにとっても、そうした原体験となる実習の場になればと願っています。
ケアとおおとよと私 ~お会いするあなたのため~ (おおとよ荘 介護主任)
2025年7月25日 更新
香川県観音寺市にある特別養護老人ホームおおとよ荘介護主任の木村です。
私を知ってもらうためにまずは自己紹介させてください。そして、おおとよ荘のことをお話させていただきます。
【わたし】
福祉と全く関係のない大学を卒業し、とりあえず仕事でもしようかなと、ふらっと軽い気持ちで介護士になった23歳の私。もちろん、無資格未経験からのスタート。しんどい時もさぼることも、給料が安くて転職しようかなと考えたこともありました。しかし、なんか楽しかった、やりがいがありました。きっと天職だったのです。
介護を続けようと決意した25歳の私。自分には知識も経験もなかったため色んなことが知りたくなり、老健、従来型特養、グループホーム、デイケア、ユニット型特養で、介護士・相談員・管理者として働きました。そして、その中で出会ったのがユニットケア。自分が理想と思った介護の形でした。
そんなこんなであっという間の25年‥私も立派なおっさんに。
これが今のおおとよ荘の実習受入担当の私です。
【おおとよ荘】
おおとよ荘のユニットケアは0からのスタートに近い状態でした。
ユニットに玄関の設置、24時間営業の売店設置、ユニットでの炊飯・盛り付け、リビングの設え、24シート作成、クラブ活動の実施等など、おおとよ荘は変わっていきました。ユニットリーダーやユニット職員と話し合いながら、みんなの頑張りと多職種の協力があったからこそだと実感しています。
そして、ユニットケア推進のなか、印象深いのは短期集中サポートと実習施設のための施設現地調査でした。指導員と調査員の方々の言葉に、共感と感銘とアハ体験の連続。最高の時間でした。とはいえ、ハード面・ソフト面とまだまだな所は多いです。しかし、変わる手段も苦労も苦悩も多く経験してきました。変化も苦労も進化も現在進行形。
それが今の特別養護老人ホームおおとよ荘です。
初めての受け入れを終えて(ラスール坂下 介護支援専門員)
2025年7月25日 更新
こんにちは。特別養護老人ホーム ラスール坂下で受入担当者をしている山口です。先日、初めての受講者4名の受け入れが終了ました。初日は私を初め、ユニットリーダーも職員も皆緊張の面持ちで、手と足が一緒に出てしまいそうなくらいの緊張感の中でのスタートとなりました。ですが、受講者の皆さんとの交流が進むにつれ、少しずつ緊張も和らいでいきました。毎日の振り返りの時間では、笑顔あふれる楽しい会話が飛び交い、心温まる時間となりました。最終日のプレゼンテーションが終わった瞬間、それまでの取り組みや努力の日々が鮮明に思い出され、深い感慨を覚えました。
思い返せば、ユニットケア実施研修施設を目指し始めた約1年前は、設えや環境も全く整っておらず、炊飯器や電子レンジはキッチンの中、副食については栄養科から届くと同時に一斉に配膳されるという状況でした。また、リビングにはくつろぎのスペースがなく、職員中心の設えと早く終わろうとする職員都合の動きが当たり前になっている状況でした。「これで本当にユニットケアが実現できるのか・・・」と何度も不安を感じ挫けそうになったこともありました。
それでも諦めず、何度も話し合いを重ね、臨時のユニットリーダー会を開き、少しずつ環境を整えていきました。多くの職員の努力でユニットの設えも完成、24シートの作成や取り分け配膳の実施もできるようになり、皆さんには本当に頭が下がる思いです。
今回の実地研修施設を目指す取り組みの中で、本当に多くの学びを得ることができました。今後も研修生の方々と共に学び、その人らしい暮らしの継続を支えられるよう、施設全体で取り組んでまいります。