『ユニットケアは施設を変える』(特別養護老人ホーム望星荘 松浦久)
2016年12月1日 更新
実地研修では、毎日振返りがあります。ある受講者が振返りの中で話をしてくれました。その方は元々長崎の出身で、他県の専門学校を卒業し、その地で就職されたとの事でした。同郷ということもあり、「ご自宅はどちらですか?」と入居者の方に尋ねたそうです。そうしたら、その入居者は車いすの向きを180度反転し、ご自分の部屋を指さしながら、「そこが、私の家です。」と言われたそうです。
「ここに来て本当に良かった。」素直に嬉しいと思える言葉です。心からホッとする瞬間であり、ユニットケアを実践してきたからこそ、これまでに幾度となく聞くことができた言葉に違いありません。
11月1日、開設十三周年を迎えました。私自身はその歴史の半分しか携わっていません。時折、職員から開設当初の様子を耳にすることがあります。今の落ち着いた雰囲気からはとても想像もできない内容です。ユニットケアと出会い、明らかに施設は変わったのです。“出来るはずない!”“出来るのかな?”“出来るかもね。”幾多の葛藤を繰り返しながら…。ユニットケアの実践に取り組み、突然の就任となった新前施設長を支えようと、必死に頑張り続けた職員たちに心から感謝しています。
如何なる変遷があろうと、ユニットケアが目指す方向は普遍の真理だと確信しています。これからも職員共々、真摯に取り組んでいく所存です。入居者や家族の笑顔に繋がることを信じて!