「ユニットケアに出会ってから・・・」(特別養護老人ホーム神の園 吉﨑麻衣)
2019年12月2日 更新
「今日も来てくれたん?いやぁ嬉しいわ~」このような言葉は従来型で働いていた頃の私は残念ながら聞いたことがありませんでした。今思えばたくさんの入居者にたくさんの職員、人が入れ替わり立ち代わりするのですから、覚えられてなくて当然ですよね。でも不思議なことに当時の私は「認知症だから仕方ない。すぐに忘れるんだから。何回言っても解るわけがない…」と、どこかで諦めており、人として正面から関わらず、機械的に仕事をしていたことを思い出します。でもそれが社会人になって初めて働きだした私には普通だと思っていました。「よく動き、効率よく仕事が、できる人が有能な職員である」という考えをもっていました。
縁あって神の園に就職することとなり、そこでユニットケアに出会いました。「関わり方一つで入居者が笑顔で同じ時間を共有できるんだ!!こんな簡単なことなのに…」と考え方が180度変わりました。いつもの限られた入居者に、いつもの職員というだけで入居者に顔を覚えてもらえ、名前で呼んでもらえることができるのは、認知症の方であっても無くても馴染みの関係ができているからなんだと思いました。
入居者だけでなく職員間でも同じ方向を向いて一丸となり、チーム力も上がり「入居者のためにどうすればいいか?」と一人の人として真摯に向き合えているのは、ユニットケアだからこそと感じています。関わりが深いからこそ、入居者の求めているニーズを汲み取り笑顔を引き出せることが可能な点もユニットケアの素敵な一面だと仕事を通して感じています。笑顔で楽しく仕事ができる今に感謝すると共に、この職業に誇りを持ち、これからも入居者ために日々個別ケアに取り組んでいきたいと思います。