自分らしく関わる(特別養護老人ホーム第二天神の杜 田中 沙耶)
2021年6月1日 更新
入職して3年が経ちました。施設理念にもある「その人らしい暮らし」について改めて考える日々が続いています。
入職して1年が経った頃は、ユニット10名の入居者様の暮らしのリズムや思いに寄り添い、それに「応えなければ…」とばかりで頭がいっぱいになっていました。何事も上手くいかず、なんとなく疲れていたように感じます。
そのような中、私たち職員を一番よく見ているのは、やはり入居者様です。誰に相談したわけでもないのですが、いつもは厳しい入居者様が居室でそっと私を抱きしめて下さり「どうしたん、しんどいなぁ」と声をかけていただきました。何とも言えぬ温かい気持ちになりました。
私は緊張しやすいので、当時は思うように働けずに悩んでいました。それでも入居者様と居室で交わすコミュニケーションから勇気をもらい、少しずつ自分らしく働けるように変化していくことを実感できました。
その後も「真面目に考えすぎよ」「よくやってるよ」「頼ったらいいよ」と声をかけてもらっています。私の相談相手はいつも入居者様です。
自分らしく働き、関りを持つことで、私自身明るくなり、入居者様の何気ない会話はもちろんですが、言いにくい不安や不満を口にして下さるようになりました。
自分自身に余裕がないと視野が狭くなり「その人らしい暮らし」を一人で考え込んで、自分の都合で解釈していたような気がします。
現在は頼れる入居者様を含め、ユニットメンバーや他職種の仲間と共に、入居者様が「自分らしい暮らし」ができるよう取り組んでいます。