「自分が入りたい施設」を目指して(泊村 むつみ荘 主任介護員)
2025年5月15日 更新
北海道古宇郡泊村にある泊村特別養護老人ホームむつみ荘で主任介護員をしています外村です。むつみ荘では入居者へ「入居前の暮らしの継続とその人らしい生活をしていただくこと」を大切にしていますが、正直時間に追われ職員都合での声掛けや入居者にゆっくり関わる事が出来ない事が多々ありました。施設の建物は綺麗で立派、個室でプライベート空間はしっかりしているが、『このままで入居者は「ここに来てよかった」と思ってくれているのか?』と考えていたところ、実地研修施設募集の案内があり、初心に戻り今一度ユニットケアを理解する勉強の場だと思い、取り組みました。
手厚い短期集中サポートを受けさせていただき、まずは入居者一人ひとりを知る事と24シートの見直しに取り掛かりました。ケアプランとの照合性や聞き取りシートの活用、排尿データをとる事から始めた結果、紙パンツを使用していた入居者が布パンツに変更することができました。何より家族から「こんな日が来るとは思わなかった」と笑顔で話された事は印象深く心に残っています。また、なじみの家具の持ち込みや入居者の様子や家族が心配している事を一緒に考え、以前より家族と共有する場面が増えたように感じるようになりました。リビングの設えに関しては各ユニットリーダーが中心となって家具や観葉植物を増やすなど初歩的な事から考え直し準備しました。
全てが一から学ぼうと必死で、リーダーからユニットケアについて取り掛かっている事や協力してほしい事をユニット職員に上手く伝えられず事後報告が多々あった事は反省しなければなりません。何事もリーダーだけでなくユニット職員も一緒に考えながら取り組む事でいろいろな視点から考える事とチームワークの大切さにも改めて気付きました。
困っている時や迷っている時は施設長はじめ多職種にも相談し入居者に寄り添うことを一番に考え、その人らしい生活(暮らし)を考えています。実地研修施設となりたくさんの出逢いがあると思います。私達の施設は皆さんからのご意見やご指摘を受けながら成長していきたいと思っております。泊村は小さな漁村ですが、海がとても綺麗で釣り人もたくさん来られ入居者の皆さんは魚を骨だけきれいに残し食べられます。ぜひ見ていただきたいです。最後に施設長がいつも話されている「自分が入りたい施設」を目標に職員一丸となって入居者と家族の幸せの為に日々努力し実地研修施設として成長していきたいと思っております。
開設から10年の歩み (ラ・ポール有田 介護長)
2025年5月15日 更新
ラ・ポール有田、受け入れ担当の馬込です。
私は平成27年の開設時、オープニングスタッフとして勤務を開始しました。開設前から2か月という研修期間があり、かつユニットリーダー研修も就業開始前から受講させて頂けるという、今考えると恵まれた環境だったなと思い出されます。開設時研修でも「本気でユニットケアに取り組む」と当時から宣言されており、開設して初年度の事業計画で、施設長は「夢を叶える介護をする」「地域で1番の施設になる」「5年でユニットケアの実地研修施設となる」の目標を掲げられました。
当時の私は開設時のユニットリーダーに任命を受けた事もあり、また、リーダー研修を受講させてもらい、やる気に満ち溢れ、スタートしました。やる気十分の私は、1年目、限られた予算の中で、ユニットの家具を購入し、家庭的な雰囲気をつくることにこだわりました。また入居者さんの夢を叶えるべく一緒に映画館に行ったり、自宅に帰ったり、野球観戦に行ったり、一緒に乗馬をしたこともありました。そんな全力疾走の1年目、はやくも2年目で息切れをします。開設時の施設あるあるなのですが、退職をする職員が続き、ユニットケアを実践する事がままならない時期もありました。それでも歩みは止めず、少しずつ形を作っていきました。
語りつくせないほど紆余曲折ありましたが、10年目、実地研修施設の仲間入りができ、いまでは、入居者一人ひとりのペースに沿った暮らしができる施設に近づいているのではないかと感じています。これからも「ケアやユニットのシステムが職員都合になっていないか」自問自答しながら、10名のユニットリーダーと一緒に「その人らしい暮らし」を追求していきたいと思います。
理念を叶えるために(特別養護老人ホームせんりょう万両)
2025年2月14日 更新
せんりょう万両で実習受け入れ担当を務めさせていただいております、大草です。
ユニットリーダー実地研修施設を目指すと決めたあの日から、それはもうしつこいくらいにユニットケアの理念である「その人らしい暮らしの継続」、せんりょう万両の理念である「これまでの紡ぎ続けたおひとりおひとりの人生をこれからも紡ぎ続けられるようお手伝いします 専(せん)のちからと満(まん)の心で皆様の暮らしをおまもりします」を伝え続けてきました。
せんりょう万両は「食事」「口腔ケア」「排泄」の3本柱で理念をより明確にしています。それをもとに理念塾や研修、会議、立ち話etc…どんな時でも理念を軸に話を進め続けました。
入居者の変化に対応しきれず支援に悩んだ時、入居者にあわせたしつらえの変更で悩んだ時、「職員のAさんはこうやって言っているけど、Bさんは別の意見でどっちがいいかわからない」「多職種で意見が分かれてどうすればいいかわからない」ということもありました。そんな壁にぶつかった時には「理念に立ち返るとどう思う?」「理念では何を大切にしている?」と問い続けてきました。職員のみんなは「どうすればいいか答えが欲しいのに、また理念か。」と思っていたかもしれません。ただ、伝え続けると職員の会話に自然と理念が浸透していきました。だんだんと自分たちの行動基準が「施設長が言ったから」「手順で決まっているから」「私たちがやりやすいから」ではなく、「理念をベースに考えて、こうすると入居者の暮らしぶりが充実するから」に変わっていきました。「AさんとBさんの意見、どちらが理念に適うか」という考えになり、「多職種の話し合いの中心に理念が自然と絡み合うようになり、まとめあげる」といったことができるようになりました。
理念を伝え続け、どうすれば理念に適うかを追い求め続けることで、職員みんなが同じ方向を向いて支援と業務ができるようになったと感じます。せんりょう万両はこれからも理念を叶えるために進み続けます。