第Ⅱあま恵寿荘“快互upteam”(特別養護老人ホーム第Ⅱあま恵寿荘 田口 守)
2024年11月15日 更新
愛知県あま市にある特別養護老人ホーム第Ⅱあま恵寿荘で介護主任をしています田口です。
第Ⅱあま恵寿荘は昨年、今までの自分たちの考え方(今までの経験からの常識)を一度ぶっ壊して、言い訳をせずにとにかく振り切ってユニットケアに取り組む!ことを決めました。
一昨年までは、何もない、ただ綺麗なホテルのような施設っぽい施設から、ユニットケア推進センターの皆さんにご指導ご協力いただき、ケア方法を見直し、暮らしの環境を設え、記録等全てを修正しながら取り組み、約1年で実地研修施設として認定していただくことが出来ました。
短期間で実地研修施設としての指定を受けられたのは、開設から9年、ユニットケアには目覚めていませんでしたが、自分たちなりに少しずつ地盤を築いてきたことが大きな基礎となりました。地盤作りの大きな部分としては、職員全員が施設理念である「わたしがわたしらしく心地良い居場所」を理解し、同じ方向を向いて進むようになっていたからです。勿論同じ方向を向くことが自然と出来た訳ではなく、施設長が日々理念を浸透させ、方向性を示し続けてくれたおかげだと思います。そして、もう一つの大きな地盤作りが、自分自身が介護主任として取り組んできた”快互upteam”です。
開設当初、不足する介護職員の問題と、介護職員をようやく集めても、ケア方法が異なり、ユニットケアどころか、入居者に当たり前のことが当たり前に提供出来ていない状況でした。どれだけ入居者の暮らしを豊かにしようと取り組んでも、まずそこに入居者を想う気持ちがなければ中身の無い理想論となり、あくまで職員の自己満足に過ぎず、入居者の暮らしは豊かにはなりません。
「このままではいけない…。」と介護職員から有志を募り、新たな委員会として”快互upteam”を立ち上げました。立ち上げに際して施設長と話し合い”当たり前のことを当たり前にできる”を目標に活動していくこととしました。
当たり前に統一した介護技術を提供していく為に、排泄介助の手技からノーリフトケアの徹底、記録の重要性、コミュニケーション技術など、すべての職員が目標を達成できるまで1つ1つのケアをしっかりと見直してきました。一つ一つ問題を解決していき”当たり前のことが当たり前にできる”ようになってきたその先に、ようやく”その人らしい暮らしの継続=ユニットケア”という目標が出来たのです。
地盤を築き、職員一丸となることができ、そして施設長自身が旗を振り続けてくれたことで、まだまだ課題はありますが、1年で一定基準の目標は達成できたのかと思います。
その経験があるからこそ、同じように課題の多い施設でも、職員が一丸となればユニットケアはできると思います。今から施設でユニットケアを始めたい!と思っている方は第Ⅱあま恵寿荘に一度来て頂ければ、どん底から始まったこれまでの取り組みをお伝えすることができます!是非第Ⅱあま恵寿荘へお越しください!!
皆さんとお会いできることを楽しみにしています!!!
ユニットケアの取り組みから感じたこと(介護老人福祉施設IGLナーシングホームシャレー 迫川 圭琴)
2024年10月15日 更新
ユニット型特養として開設し、8年。全力で日々のことに向き合ってきました。ゆっくりと振り返ってみると、ハード面は整っていましたが、ソフト面は施設の生活リズムにご入居者が合わせてくださる場面が多かったように思います。
ケアの見直しと、さらにケアの質を上げたい、私たちの成長につなげたい思いから、1つのきっかけとしてユニットケア実地研修施設を目指すことにしました。施設長の旗振りから始まったチャレンジ。本当にできるのだろうか、みんなが1つになれるだろうか、そんな不安を私自身が感じてしまった時期もありました。しかし、振り返ってみて一言。ユニットケアに対する考え方の変化、チーム力の向上、このような財産は介護職を始めて1番大きなものとなっています。間違いなく、私のターニングポイントです。
施設で生活、ではなく「家のようにその人らしく暮らす」ことをもう一度見直したときに、言葉の使い方やユニットの環境、食卓やくつろぎの場の使い方、24シートの活用、ケア方針等、取り組むことが明確になりました。施設で働くスタッフの思いが同じ方向に向かわないと何事も取り組んでいくことは難しいと思います。「何のためにするのか」「やることでどんなことが見えてくるのか」、皆に伝えるためにはこのようなことが重要だと感じました。また、 誰かが一生懸命やる姿や幸せそうな姿をみると人の心は動きます。今回、ユニットリーダーや多職種、ユニットスタッフが必死に頑張る姿や熱心に考える場面、ご入居者が暮らしを楽しむ姿を見て、言葉を聴いて、何度も感動し私の心が動かされました。このようにチームとしてまとまってきたのだと思います。
ここからが本当のスタートです。
お一人おひとりの暮らしを知らずして、ご入居者を支えることはできません。「ご入居者を知ること」を大切にし、暮らしをもっともっと楽しんでもらいたいと思います。コロナが5類になり、行事も以前のように戻りつつありますので、ユニットの外で楽しめる機会を増やしていきたいです。
たぶのきの支援(特別養護老人ホームたぶのき 平木 宏美)
2024年9月13日 更新
たぶのきは「生活の場」「普通の生活」を意識しています。
食べて、排泄して、入浴するだけでは「生きている」だけ。買い物に行ったり食事を作ったり、旅行や趣味を楽しんだり・・・という「活動」があってはじめて「生活」になります。もちろん出かけるだけではなく、天気の良い日にベランダへ出て日光浴をする、沈む夕陽を見る、室内で一緒にテレビを観るなど色々なことです。
要介護になったお年寄りの生活を支援し、その楽しさをともに再発見することが職員の役割です。なので、たぶのきでは介護職員を生活支援員と呼んでいます。
たぶのきでは介護経験の有無にかかわらず、新入職員は必ず入居者の疑似体験を行います。体験を通じて何が快適なのか、どうすれば入居者に負担や痛みがないかということ、介護を受ける側の気持ちを確かめます。
嚥下食を食べる、濡れたオムツを着用する、リクライニング式車いすで1日過ごす等、身をもって入居者の負担や痛みを知ることで、絶えず入居者の感覚で考えられるように、要介護状態であっても人権を尊重することの大切さを学びます。
先日のことですが、食事作りをして味見をしてもらおうと小皿を渡しましたが、その方はモジモジとするばかりで味見をしません。感想を知りたい私の視線は自然とその方の口に向けられています。「どうです?」と急かすと、「味見をする口を見られるのが恥ずかしい」と言われました。そんな恥ずかしさを全く考えていませんでした。理念に掲げている相手の気持ちになって、人権を守った支援ができていなかったと反省し、色んな場面においての「見守り」についても注意が必要だと改めて感じました。
たぶのきは福井の中でも小さな施設です。のんびりゆったりとした生活、職員も色んな役割を持ちながら支援しています。是非、福井にお越しください。