思うこと、感じること(特別養護老人ホームゆめみどり 小林 翔)
2021年9月1日 更新
ゆめみどりは今年、開設から15年を迎えました。私は介護の専門学校を卒業し、ゆめみどりの開設職員として働き始めました。この15年の間に、ユニットケアを学び、私としても施設としても成長できたと感じます。
ユニットリーダー研修への参加、24Hシートの導入、職員の固定配置など、開設当初のゆめみどりでは考えられない変化があり、またその成長はユニットリーダー研修の受け入れを行うことでさらに良い方向へ推移し、職員の考え方も変わっていきました。
ユニットケア導入以前も入居者や家族との関わり方について、施設、ユニット、職員がそれぞれしっかり考えていましたが、ユニットケアを学ぶことで入居者や家族とさらに深く関わり、寄り添う必要性を感じました。
現在ゆめみどりでは、コロナの影響もあって入居者や家族に不安な気持ちを持ってもらわないように、工夫をしながら面会を行い、また毎週ユニット職員の方から様子をお伝えする電話をさせて頂いています。
ユニットとしても外出や買い物などの希望がある入居者に対して、どうすれば希望により近づけるのか、生活の中に楽しみを見つけることが出来るのか日々試行錯誤しながら過ごしています。
コロナだから出来ないではなく、コロナだから出来ることを考えていきたいと思っています。
ささやかでも楽しんでほしい(特別養護老人ホームゆめみどり 横小路 みゆき)
2021年9月1日 更新
ご入居者の生活の中で、生きるためにも生活を豊かにするためにも「食」はとても重要だと思います。コロナ禍以前は、「食」を楽しむ機会はいろいろありました。ご家族と一緒に外食や買い物に行ったり、面会にいらしたご家族とお茶を飲んだりすることは、生きる糧の一つだったと思います。しかし今は、受診時以外には外出出来なくなってしまいました。
そんな中、ささやかな楽しみとなるようにと、移動売店を行っています。キャスター付きの机に食品や日用品などの商品を乗せて、ユニット毎に販売に行っています。自分で選んで買い物ができることが何より嬉しいと高い評価をいただいています。(と信じています。)最近では栄養士というより、売店の店員のイメージの方が定着し、「あれ、お買い物、次はいつ?」「○○はある?」などと話しかけられることも多くなりました。希望の品をリクエストされることも多く、紙に書いて渡してくれる方もいます。また、飽きないように手作りデザートやおかずを販売したり、桃やもろこしなど季節の商品を用意したりもしています。
楽しく買い物が出来、欲しいものが手に入る店。コンビニは無理だと思いますが、過疎地などに行く移動販売車を目指しています。でも本当は、移動売店の充実より、ご入居者が自由に買い物に、外食に行ける日常が来ることを何より願っています。
コロナ禍におけるレクリエーション実施に向けた取り組み(特別養護老人ホームみなみ風 田中 敦子)
2021年8月2日 更新
昨年からのコロナウィルス感染拡大により、みなみ風においても、施設内にウィルスを持ち込まないために感染対策を取りながら、ご利用者の以前と変わらない暮らしの継続に向けた支援を行ってきました。
しかし、感染対策の中でも、ご家族の面会や行事の中止、近隣でのお買い物の制限は、ご利用者の楽しみをなくしてしまうだけではなく、社会参加の機会がなくなってしまうことにもなると考えられました。実際、感染対策が取られるようになった当初は、ご家族に会えない寂しさからか、精神的に落ち着かない様子が見られるようになったご利用者もおられました。これらの状況をふまえ、レクリエーション委員会として多職種が連携し、『今、私達にできること』について考え、ユニットを出て参加してもらえるようなアイデアを出し合いました。実施するにあたり、当初はコロナウィルスに対する不安や心配がありましたが、職員が正しい知識を身に着け、しっかりとした感染対策をとることで、むやみに怖がる必要はないということがわかってからは、準備もスムーズに進むようになりました。
委員会として計画・実施したのは、お茶会、秋祭り、クリスマス会です。みなみ風の特養は8ユニットありますが、お茶会はひと月に1ユニットずつの実施とし、お茶会、クリスマス会と合わせると、ほぼ毎月、企画を行えるようにしました。どの企画も実施する際は、手洗い・うがい、体温測定、換気の他に、3密を避けるための移動方法や、参加時の人数調整をしっかり行いながら、会場設定や雰囲気づくりに力を入れました。ご利用者もおしゃれをして参加して下さり、毎回、楽しそうなご利用者の姿と、そこに寄り添う職員にもたくさんの笑顔がありました。
今後も更なる感染症の拡大があることが予測され、私達はそのたびに生活様式を変化させながら生きていかざるを得ません。介護施設に従事するものとしては、変化を受け入れることを厭わず、その時々で行えることを冷静に判断しながら、ご利用者の支えとなることが求められてきます。この機会をより良い経験とし、今後も柔軟な姿勢をもってご利用者に関わっていけるよう努めていきたいと思います。