ユニットケアの取り組みが辛いから感動に(特別養護老人ホーム高秀苑 元山 明枝)

2021年1月5日 更新

著者ユニットケア推進委員 元山 明枝   (社会福祉法人久義会 特別養護老人ホーム高秀苑)

私が介護職として初めて勤務したのが高秀苑でした。知識も技術も全く何もない中で、何も分からないまま、忙しく不安な日々を過ごしていました。高秀苑で働き続けている中で、ユニットケアを学ばせて頂く機会に多く触れながらも、理解や実際に自ら実践するには難しく、ただ毎日仕事をしてとても疲れていました。そんな中、新しい入居者を迎え、おむつから布パンツへの移行とベッド上からの交換からトイレへの移行に取り組みました。入居者の理解を得るにはかなりの時間が掛かりましたが、本人と関わり、真摯に高秀苑のケア方針に沿ってケアをし続けていると、ある時、入居者から「トイレでするようになって気持ちいい。」とお言葉を頂いたのです。大変嬉しく思ったのをよく覚えています。毎日辛くきつい仕事・・・としか思っていませんでしたが、続けていて良かったと思えた瞬間でした。そこから、私達がここで取り組んでいるケアは素晴らしいと自信も持てるようになり、介護職としての誇りも持てるようになりました。身体の疲れは相変わらずですが、楽しく思える様になったのをよく覚えています。

それからは課題を見つけて入居者様の意向を聞き、また、口頭で伺うことができない入居者の意向をくみ取りながら、介護職としてどのようにケアするのかチームで考え、入居者と向き合い取り組むことでユニットケアに努めています。最近ではユニットとしての取り組みを行う上で、職員と一緒に苦労し悩み、お互いを信頼し、切磋琢磨した結果、職員それぞれが成長していると感じています。職員間のコミュニケーションや関係性が、実際の入居者への介護の質の向上になっている事に気づかされたユニットケアに感謝し感動しています。

「ユニットケアの可能性」 (地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護あおい 岩田 啓志)

2020年12月1日 更新

私が介護福祉士として、別の法人の施設で働き始めた頃、入居者様の「ありがとう」がとても嬉しく感じていました。一緒に笑って、悩んで、怒られて、少しずつ入居者様の人柄を知って、自分自身も成長して、出来る支援が増えて行きました。

何年か過ぎ「朝食までに全員起こせた」、「オムツ交換のスピードが速い」など、「業務」一辺倒で、“介護業務”としてのスピード重視の考え方になっていました。毎日同じ「業務」の繰り返しの中、さらなる自分の成長のため、意を決し、アパティア福祉会の従来型特養へ転職をしました。

従来型の本体施設で、私は「24Hシート」と出会い衝撃を受けました。24Hシートを理解するにつれ「施設」の日課、から「ご利用者」の暮らしへと視点が変わり始めました。しかし、スピード重視から入居者様のペースの考え方には変わったものの、従来型特養というハード面の限界もあり、動きは“介護業務”となることもありました。

そんな時、ユニット型施設あおいへ異動になり、初めてユニットケアに触れました。ハード面の限界がなくなり、本当の意味で「業務」から「個別ケア」ができる環境がそろいました。それは、毎日決められたスケジュールのルーティン業務という考えではなく、その日の入居者様の様子に沿った支援を行い、記録に残すことでより良い支援方法を追求して行けるユニットケアでした。介護福祉士の仕事に就いたばかりの頃、入居者様と一緒に笑って、少しずつ成長して行った時の気持ちを思い出しました。

私は「ユニット型施設あおい」で、24Hシートへの理解を深めながら、ユニットリーダーと情報の共有を目指しています。ユニットリーダーが知識を深めることで、ユニット職員へスムーズにユニットケアの素晴らしさを伝えていくことができると考えています。これを形にできた時、ユニットケア本来の可能性を活かせると信じています。

「学んだことをつなげていく」(地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護あおい 伊藤 真由美)

2020年12月1日 更新

ユニットリーダー研修を受け、「こういうところを真似してみたい」、「ここを変えていきたい」と、最初はやる気に満ちているのですが、他の職員との温度差があったり、否定されてしまったりすると、「自分だけやっても意味ないな」、「実地研修施設とは違うんだ」という気持ちになってしまう受講生が多いのではないでしょうか。でもそれってすごくもったいないことだと思います。計7日間も自施設を離れ、費用もそれなりにかかっています。それでもリーダー研修に参加させる理由は、基準のためだけではないと私は思います。

施設長からのコメントには、必ずと言って良い程「ユニットケアを学んで、自施設で展開して欲しい。」と書かれています。彼等ならそれができると信じて研修に出しているのです。

ですので、研修で学んだことを、ご入居者の暮らしの継続のため、一緒に働く仲間のために還元しなくてはなりません。「そんなこと言われなくても分かっているよ!」と言われそうですが、実は実地研修施設の「あおい」もかつてはそうでした。

ではなぜ研修で学んだことを取り入れることができたのか。それは、仲間をつくることと否定しないこととの二つです。どちらもリーダー研修のグループワークで皆さん実践してきたことです。研修後も、リーダー研修でできた仲間、実地研修の担当者に相談したり話を聞いてもらいながら、自施設でも共感してくれる仲間を見つけ、できそうなところや小さいことから取り組んでいく。そういう姿は必ず誰かが見てくれています。仲間も必ず増えていきます。その仲間には、それぞれの得意分野があり、思わぬ力を発揮してくれたりします。

ユニットリーダー研修が繋げてくれた縁をどんどん活用して、ユニットケアの輪を広げていくことは、ご入居者お一人おひとりの思いを大切にすることにつながっていくのではないかと私は考えます。

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