「理念の浸透」って、大事!! (特別養護老人ホーム みどりの郷 本多 さなえ)
2020年12月1日 更新
私の祖母が亡くなって、早1年が過ぎました。享年93歳、大往生だと思っています。祖母は、酪農をしていた両親に代わって一家の家事を一手に引き受け、野菜作りをしながら孫6人を育ててくれたました。亡くなる数年前に認知症を発症し、もともと難聴だった耳は聞こえなくなり、病気により両眼の視力も失いました。自宅では母が一人で祖母の面倒を見ていましたが、在宅での介護に限界を感じ、介護申請をし、認知症対応型デイサービスに通うようになりました。時々、ショートステイも利用し在宅介護を続け、その後、特養へ長期入居することになりました。長期入居してからはさらに認知症が進行しました。そのうえ、見えない、聞こえない状況で歩行したことで転倒骨折し、入院しました。手術を受け、施設に戻りましたが、その後は自力での食事摂取も難しくなり、歩くこともできず、多職種が試行錯誤しながら施設生活を支えてくれました。利用した施設は、すべて湖星会の施設です。
施設開設時は、介護職経験者は多くいましたが、「ユニットケア(個別ケア)」を理解し、実践することが難しく、「ユニット型で集団的ケア」をしている状態でした。ユニットリーダー実地研修施設の認定を受けることを目標に、理念を伝え、「個人の自由を最大限に尊重したい」という施設長の思いを伝え続け、実地研修施設になるには何が足りないのか、どのようなケアをしていくべきなのかなど話し合う時間をたくさん作りました。そして、「自らが入居したい、親兄弟でも入居させたい施設」を目指して施設づくりに取り組んできました。意思疎通が難しい入居者であっても、手探りながらどうケアしていけばいいかなどを考えて話し合い、実地に移してしてくれるスタッフには感謝しかありません。これからも、当法人の理念「自らが受けたいと思う、医療と福祉の創造」の下、ひとりひとりに寄り添ったケアを提供できるよう、ユニットケアに取り組んでいきたいと思います。
集団的なケアから個別ケアへ (特別養護老人ホーム みどりの郷 佐藤 利恵)
2020年12月1日 更新
私が介護職に就いて約12年が経ちました。初めに就職した先は老人保健施設で従来型、集団的なケアの施設でした。毎日決まった時間に起床、食事、排泄、入浴、就寝等の介助を行い、時間に追われ、入居者の方とのコミュニケーションもあまり取れない毎日でした。
震災をきっかけに今の施設に転職し、ユニットケアを知りましたが、始めは戸惑うことばかりでした。それまで集団的なケアでやっていたことが当たり前だと思っていたのですが、それが全くなく、時間がゆっくりと動いているかのように感じました。入居者の方とのコミュニケーションも増え、入居者の方から「○○さん、ちょっといいかい?」と名前を呼ばれたりして、信頼関係も築け、何よりも、入居者は“その人らしい生活を送って”いらっしゃるのです!
私もリーダーになり、ユニットリーダー研修に参加し、改めてユニットケアの大切さを学ぶことが出来ました。いかに入居者の方やご家族様に今までの暮らしと変わらない生活を提供できるか、認知症を抱えていても最期まで暮らしを感じることが出来るかなど、研修に参加して学んだことを実際に現場に持ち帰り、ユニットや居室の設えを考え、入居者の方やご家族様にどのような生活をしていたか等をお聴きし色々と取り組みました。私の施設では、看取り介護を行っています。ご家族様から「みどりの郷で最期を迎えられて良かったです。ありがとうございました。」とお言葉を頂いた時には、自分達がやっていたことは間違っていなかったんだなと改めて感じます。
現在私はショートステイの副主任をしています。長期入居で学んできたことを活かし、ショートステイでもその方らしい生活が送れるようにスタッフとケアについて日々相談し、頑張っていこうと思います。
一人一人の暮らしに合わせたケアを目指して(介護老人保健施設きのこ老人保健施設 松原 研悟)
2020年11月4日 更新
昨年ユニットリーダー研修を受講して、私が一番印象に残っている事は、一人一人の暮らしに合わせたケアをする事の大切さです。私の研修先では、入居者の時間に合わせて食事を提供しており、起床時間もそれぞれの入居者に合わせ、また、机や椅子の高さも入居者に合わせていました。一日ユニットで過ごして、入居者も落ち着いており、時間がゆっくり過ぎていくのを感じました。やはり、入居者に合わせてケアしているからだと思いました。
少人数のユニットケアをする事で、入居者と顔なじみの関係になれます。例えば、出勤すると、ある方は、「あーさん、来てくれたんか」と言って下さいます。このような関係を持てるのもユニットケアならではだと思います。
現在、コロナの影響でなかなか外出が出来ない中、ユニットで季節を感じられるようにしたいと考え、「季節を感じられるユニットにする」という目標を掲げました。例えば、季節に合わせた花を生け、お月見には、すすきを飾り、お団子をお供えしました。入居者には、「きれいに飾っているね」と言われ好評でした。
また、夏には花が好きな方と一緒に朝顔を育てました。咲くのを楽しみに毎日水やりをして下さっていたので、花が咲いた時には、とても喜んで下さいました。
ユニットリーダーとしてこれからも、個別ケアを大切にしていき、多職種連携を活かして、入居者に合わせたケアを進め、入居者の笑顔を引き出していきたいです。