「選択の重要性」 (特別養護老人ホームはだの松寿苑 久保谷 和明)
2020年2月3日 更新
以前、NHK「白熱教室」の放送で、アイエンガー教授が「選択の重要性について」の講義をしているのを目にしました。内容は、「人間は普段から常に選択をして生きている。無意識に選択していることを含めると1日に200~300回行っている。その選択の回数が生活の行動範囲や活力に比例する」など。を学びました。
ユニットケア指針(第33条)は、入居前の居宅における生活と入居後の生活が連続したものとなるよう配慮すると掲げられています。私たち施設職員は、契約時に本人や家族に今までの暮らし方を聞き取っています。そこで重要なのが、意向や好みをいかに多く聞き取り、これからの暮らしに反映させて毎日飲み物の種類や温度、量など、入居者が選択できるような会話をすることにしています。
ユニットリーダー研修の受け入れ施設を行って5年が経過しました。実習生からは「介護度は重いけれど入居者が生き生きしている」と話されることが多くなりました。その話を聞く度に、はだの松寿苑の入居者は、こだわりを持って暮らせているなと温かい気持ちになります。これからも、入居者のこだわりを増やし生活の質が上がるように取り組んで行きたいと考えています。
「実習生とともに成長」(特別養護老人ホームはだの松寿苑 石塚 彩友美)
2020年2月3日 更新
管理栄養士として新卒で入職し、2年目になりました。私は当初、ユニットケアというものをあまりよく理解していなかったので【食に携わる職員のためのユニットケア研修】に参加したところ「食事は頑張って食べるものではない」といった考え方に心を動かされたことを覚えています。今、実際に職員として働き、ユニットケアを行うことで入居者にもたらす良い影響に気づくことは、食事ケアに限らず多々あります。
当施設は生活相談員、ケアマネージャー、看護師、機能訓練士、管理栄養士等の多職種の関わり方について、「多職種連携」という内容で実習生にお伝えし、疑問・悩みを聞く機会を設けています。逆に実習生を受け入れる立場である私たちにも、メリットがあります。多い時には1回6名の実習生を受け入れるため、他施設の取り組み内容の情報を共有する場ともなり、たくさんの施設の良いところを自施設のケアに還元することもできます。私自身、まだ特養の職員としての経験も、管理栄養士としての経験も浅いので、このような情報共有の場があることを非常にありがたく思っています。
これからも、ユニットケアの良さを広めていきながら、実習生とともに自身も成長し、入居者様に「ここに入居してよかった」と思っていただけるよう、よりよいケアを提供していけたらと思います。
「食の専門家としてのユニットケアでの関わりと成長」(介護老人保健施設ふかわ・くにくさ 岡元里奈)
2020年2月3日 更新
私は新卒で病院に就職し、社会人として初めて学んだ場が「治療の場」=病院でした。体重増加や病気があるから食事を制限したり、食事量が少ないから補助食品を提供するという、方程式の様な考え方で栄養マネジメントを行い、「元気になる」という目標が一人歩きする状況でした。なかなかチームケアの中に溶け込めていない自分を感じつつ、業務をこなす毎日でした。
転職して今の施設に入り、食に携わる職員のためのユニットケア研修への参加の声がかかり受講すると、初日から感化されました。ご利用者の暮らしの場における「食べる」専門職としての役割、そして、人は自然に食べられなくなって一生を終えていく、これを受け入れケアをしていくことでした。
栄養士は介護の現場で直接ご利用者と接する機会も少なく、そして「ユニットケア」での栄養ケアの在り方を教えてくれる人も限られてきます。私達の施設では、独自の取り組みとして、新調理システムや凍結含浸食などの食への取り組みを行っています。研修中は他のユニットケア施設の栄養士と情報交換をするなかで、自施設の食への取り組みの素晴らしさを再認識しましたが、他施設の取り組みへの興味が沸き、影響されるところも多くありました。研修を受けた後は、今まで以上にユニットに出向くようになり、人生の先輩達と多くの話ができる楽しい時間を過ごしています。