ユニットケアとの出会いから(介護老人福祉施設 紡木長屋 武井 章宏)

2023年5月1日 更新

 私が社会福祉法人 緑水会に入職し、8年が過ぎました。入職した頃は桜荘という従来型の施設で介護員をしており、一斉一律の介護をしてきました。

 当時、施設では建て替えを予定しており、建て替えとなる1年ほど前に私はユニットリーダー研修の機会をいただきました。私がいままで学んだユニットケアとは、個室対応で10名程度の入居者が生活をしているという考えでした。しかし実際にユニットリーダー研修でユニットケアを学ばせていただくと、従来型のケアや学んだユニットケアとは全く違う内容でした。本当にユニットケアが実践できるのかと思うくらいでした。しかし、建て替えが決まっていることもあり、また、ユニットケアがとても魅力のあるケアであることから、建て替えの予定の数ケ月前から、ユニットケアの実践に向け、従来型の施設でもできるユニットケアを始めることにしました。

 まずは介護員から生活支援員と呼び名を変え、「暮らしの継続・普通の暮らし」を目標に、24時間暮らしの支援シートを作成し、入居者一人ひとりの起床や食事の時間、排泄のリズムを合わせることからスタートしました。最初は生活支援員皆が、それぞれ固定概念が抜けずに戸惑っていましたが、各フロアの支援員が協力し合いながらユニットケアの実現に向けて取り組みました。その結果、目立ったトラブルがなく桜荘から紡木長屋に引っ越すことができました。

 紡木長屋となり私自身は8か月後に生活支援員から生活相談員の立場になりました。今年度からユニットリーダー研修実地研修施設として受け入れをさせていただくことになりました。桜荘・紡木長屋で得たことを受講生に伝え、ユニットケアを学んでいただきながら、私達も受講生の意見や質問を職員間で共有し、ともに成長して行ければと考えております

「私が変わったきっかけ」(地域密着型特別養護老人ホームルグネット岩ケ崎 千葉 優佳)

2023年4月3日 更新

以前の私は、学校給食に携わる栄養士でした。初めて介護施設で働き、食の違いに驚きました。入居者一人ひとりに合わせた食形態の種類、学校給食とは違う調理方法、何もかもが新鮮でした。
以前は献立に沿って作るのが、自分の役割と思いながら勤務していました。
そんな中、ユニットケア推進センターが主催する「食に携わる職員のためのユニットケア研修」に参加したことにより私の固定概念が一瞬で吹き飛びました。食の取り組みや専門職としての役割を学んだことで、「食べる」という言葉の意味について深く考えなおすきっかけとなり、同時にユニットケアの良さを知り熱い気持ちになったのが思い出されます。
ユニットケア実現に向け、最初に取り組んだのは、自分が見本となり伝えていくことでした。
その人らしい食事となるよう意向や好みの把握、本人の嗜好品を増やしていく取り組みをしました。
また、ユニットケア推進委員会を中心に、入居者の暮らしを豊かにするため私たちに求められる事は何か話し合い、課題を一つ一つクリアしていくたびに一体感が出始め、施設全体の雰囲気が変わっていく様子が感じられました。
指定をいただき、職員一丸となり施設づくりに努めてきたことが認めてもらえたと感じ、とても嬉しく思いました。ユニットリーダー研修実地研修施設となっても、今までと変わらず入居者一人ひとりに寄り添ったケアを提供していきたいと思います。
変わるきっかけは、いつ、どんな時に出会うか、わからないものですね。
私にとって、あの時の研修が変わるきっかけとなったことには間違いないです。

ユニットケアとの出会いから現在に至るまで(特別養護老人ホーム幸の郷  伊藤 由紀子)

2023年4月3日 更新

著者生活支援課長 伊藤 由紀子   (社会福祉法人元気寿会 特別養護老人ホーム幸の郷)

 私は高校を卒業して初めて就職したのが老健でした。その後、デイケアや療養型病棟を経てユニットケアに出逢ったのが19年前。ユニットケアという言葉も知らない私に当時の施設長は『ユニットケアを真剣に取り組む中で伊藤さんの今までの介護経験やプライドは全部捨てなさい。』との一言。正直、どういう意味かさっぱり分かりませんでした。
経験があればある程、固定観念や支援員ペースの仕事になっていたので、入居者の暮らしに合わせる事なんて今更出来るのか?とさえ思っていました。
 しかし、不思議なもので、忙しい業務の中でもほんの1つの小さい事(例えばお茶は冷たいより温かいのが良いと言われてお出しする)だけで、入居者がとても喜んでくれたのを見て、こんな些細な事なのにこんなに喜んでくれるんだ!こういう願いを叶える事を地道に行えば自然と入居者の望む暮らしになるんだ!と知る事が出来ました。
今ではあの時の施設長の言葉の意味がやっと理解出来たと思っています。
 幸の郷の開設時から生活支援課長と言う立場に就かせて頂いていますが、悩む事は今でも沢山あります。その度に初心を思い出し、今までの自分の経験や葛藤は常に忘れない様にしています。
 「きっと私と同じ思いをしている支援員は多いはず!」
 だからこそ、それを自分の強みとして、悩んだ時には具体的に経験談や失敗談を伝え、リーダーと協力して支援員全員で課題を乗り越えていける様に意識しています。
 ユニットケアと言う言葉だけが先走りしない様に常にその意味を念頭において、きちんとユニットケアが出来ているか?と、自分自身に問い掛けながら過ごしていきたいと思います。
 そして、私の考えを変えてくれた施設長のあの時の言葉を、今度は私が自信を持って支援員に伝えていける様になりたいです。
幸の郷の入居者、利用者はもちろん、その家族や働いている職員みんなが、幸せの人生を送れる様にこれからも頑張っていきます

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