ユニットケアに出会って(特別養護老人ホームメープル 髙坂 哲子)

2022年2月2日 更新

著者ユニットリーダー 髙坂 哲子   (社会福祉法人メープル 特別養護老人ホームメープル)

私は介護とは別の医療系の仕事をしていましたが、介護の職に就きたいと思ったのは、お世話することが好きだったこと。祖父母が大好きだったこと。出来ないことを手伝うと「ありがとう」と言ってもらえたことがとても嬉しかったからです。

以前は老健で勤務していましたが、結婚を機に自宅から比較的近い施設で勤務しています。介護職として8年目でユニットリーダーを任され、現在もユニットリーダーとして、そして今年度から実地研修受け入れ担当としても奮闘しています。

当施設は従来型の特養でしたが、ユニットリーダー研修の実習施設で、実際にユニットケアをしている姿を見て、職員にバタバタ感がなくゆったりと支援していること、入居者の生きがいを見いだし尊厳に配慮していること、統一したケアができていることに驚きと感動を覚えました。実践してみて大事なことは、ただ言われたことや感じたことをそのままやるのではなく、根拠を持ってやることの大切さを知りました。

紆余曲折はありましたが、10年かかって当施設でもユニットケアを学ぶ実習生を受け入れる施設となり、ユニットケアをする前と比べ職員のモチベーションが上がり、統一したケアができるようになりました。また、実習生と共に一緒に学び共感し、多くの仲間が増えたことがなによりです。

福祉関係に限らずコロナ禍で制限されることが多い中でも、日々何かしら進化していると思っています。今後も多方面からの情報を収集しながら、今までと変わらない暮らしが続けられるよう、新たな取り組みも考えながら支援していきたいと思います。さらに、より多くの仲間が増えるよう発信していきたいと思います。

食を楽しみにし、豊かにするために取り組んでいること(特別養護老人ホーム大地の丘 大岩 泰代)

2022年1月5日 更新

著者管理栄養士・栄養支援科長 大岩 泰代   (社会福祉法人あぐりす実の会 特別養護老人ホーム大地の丘)

入居者にとって”食べること”は楽しみのひとつです。昨今のコロナ禍では、行事が中止になり外出等もできず、食事が唯一の楽しみとなっています。大地の丘では、管理栄養士4名、栄養士1名により担当ユニットの食事支援、介助を通して普段から一人ひとりの食べたいものや食事に対する希望を生活の中から探し出しています。

その中で入居者は、子供の時からお寿司が何よりもご馳走で、嫌いな人はいないことが分かりました。そこで、毎月1回開催していた”寿司の日”を2回に増やしました。週1回、栄養科で開催していた喫茶イベントがコロナで休止していることを残念に思う入居者も多いことから、喫茶メニューをユニットに運ぶデリバリーカフェに変更して再開しました。毎週1回、食に関連したイベントにより入居者の皆様に楽しんで頂いています。寿司や喫茶のメニューは、普段のコミュニケーションから希望に沿って決めています。そのため「次はちらし寿司が食べたいなぁ」「おかわりして食べ過ぎちゃった」と会話も増え、食事量が減っていた方がおかわりしたり、全粥の方が寿司なら食べることができたり等、食への意識の変化が多々みられます。普段は、食事を個別に食べやすく工夫していますが、好きな物を食べることは「持てる能力を引き出す力」があることにも気づかされました。これからも入居者一人ひとりの声に耳を傾け、食事がより楽しみとなるよう取り組んでいきます。

リーダー研修を通して学んだこと(特別養護老人ホーム大地の丘 三浦 延介)

2022年1月5日 更新

私がリーダーとして7年間取り組んできた中でも最も失敗したと悔やんだことを紹介しましょう。

リーダーに就いて半年くらい経ったときのことです。リーダー研修を受講し、実地研修を通して急がずにケアをすることの素晴らしさに感動しました。職員の話しかけるペースやユニット内を歩くスピードなど、色々な場面でゆとりをもって接することで、お年寄りの暮らしが豊かになっているように見えたのです。さっそく、ユニットに戻ってからゆっくりケアするようにしました。「自分の姿を見てくれれば周りのスタッフもわかってもらえるはずだ」と考え、誰にも何も言わずにゆっくりケアすることにしました。

一カ月後、結果は思い描いていたものとは正反対でした。自分がゆっくり動くようになったことで、色々なことが時間内に終わらなくなり、職員は焦って気持ちに余裕がなくなり、お年寄りに対する口調も次第に強くなってしまいました。他の支援員に何も相談せずに自分勝手に始めてしまった事を謝り、なんとか事なきを得ましたが、入居者はもとより、他の支援員にまで迷惑をかけてしまったことを後悔しています。それ以来、支援員にはいろいろな事を相談することを心がけています。なにか始めたいと思った時、まずはいつも近くにいる支援員に相談することから始めたことで、ユニット支援員に考えてもらう機会も増えました。

ゆとりをもって接することでお年寄りの暮らしが豊かになるというよりは、一日をどう過ごしたいかをしっかりとお聞きして、気持ちに寄り沿った関わりをしていくことが大切であることを強く実感しています。たくさんの方々に迷惑をかけましたが、大切な教訓を得られた苦い思い出です。

 

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