「ユニットケアの魅力~看護師に出来る事~」(社会福祉法人堤福祉会 特別養護老人ホームらふたぁヒルズ 主任看護師 大丸 美里)

2019年7月1日 更新

老人ホームの看護師として勤務し16年目となります。従来型、ショートスティを経験し、現在の施設に勤めて14年目です。ユニット型の施設は意味も分からず、振り返ると“なんとなくユニットケア”という感じで働いていたと思います。新規ユニットリーダー研修実施研修施設に応募すると聞いた時、「そんなの無理」「私達にはできない」と思い込んでいました。その頃からリーダー研修に行く介護職員も増えてきましたが、話をきいても「無理」としか思わなかったことが浮かんできます。そう思っていた時は、職員全体の方向が定まっていなかったからだと思います。ユニットケアの勉強を何度も重ねていき、実施研修施設に合格した時は皆同じ方向を向いていました。

ユニットケアの理念「暮らしの継続」、ケアの視点「一日の暮らし」を大事にしながら馴染みの関係を深めています。看護師は当時より2ユニット担当制ではありましたが、私が日本ユニットケア推進センターのの看護師研修に行くまでは毎日ユニットを交代していました。小人数体制、個別ケアだから、近くにいて寄り添って、看護師としてその方の深い所まで診ることが出来ます。例えば糖尿病の方に制限をかけるのではなく、甘いものを食べたら、食事の量を減らす等いろんな形で考えることが出来ます。饅頭や餅が食べたいと言った人がいるのであれば「ダメ」ではなく看護師がついているから「大丈夫」と声をかけることが出来ます。現在担当制に変更し、より深く入居者様に寄り添って、看護師だからできるケアに努めています。

「百閒は一見に如かず」(社会福祉法人寿光会 特別養護老人ホーム天恵荘 ユニットリーダー 原 神無子)

2019年7月1日 更新

著者ユニットリーダー 原 神無子   (社会福祉法人寿光会 特別養護老人ホーム天恵荘)

私はユニットケアに反対でした。自分の意図しないところで、ユニットケアの話しが盛り上がり、知識のない中で仕事をすることのストレス。「今のままでいいのに…」「手法が違っても入居者が満足すればそれでいいのでは?」そんな屁理屈をつけては、毛嫌いしていました。ユニットケアを進めていくにあたり、何度もユニットケアの良さを説明されていたはずですが、当時の私はその話を素直に吸収することが出来ませんでした。ユニットケアを推進していく人達と理解できない私たち両者の苦悩があったと思います。

そんな中、いざ自分がユニットケア研修に受講してみると、まさに百閒は一見に如かず!コーディネーターや講師の分かりやすい解説や体験談を聞き、実際に入居者体験が出来たことで、ユニットケアに対するわだかまりがすーっと解け、クリアになっていく感じがしました。そして、自らが受講し「体感、体験出来て良かった」と心から思えたことで、施設の仲間に“自らの感想”として伝えることが出来ました。施設を出て違う環境で話を聞き体験したことも、自分の考えを改めることが出来た一つのきっかけかもしれません。何よりユニットケアを行っていくうえで、同じ様に葛藤し、悩める人たちとその感情を共有し合うことができ、「自分の施設でも頑張っていこうね!」と誓い合えたことは、お互いに背中を押しあえたような感覚でした。

ユニットケアの本質をしっかり理解出来たことで、リーダーとして伝え方も変わり、ご家族や入居者との向き合い方も変わってきました。ユニットケアは決して特別な手法ではありません。今までの暮らしの延長線上にユニットケアがあると思います。介護される側の暮らし方や気持ちに寄り添いながら支援していきたいと思います。

「いつもの人」(社会福祉法人寿光会 特別養護老人ホーム天恵荘 ユニットリーダー 西山 亮太)

2019年7月1日 更新

著者ユニットリーダー 西山 亮太   (社会福祉法人寿光会 特別養護老人ホーム天恵荘)

重度の認知症をお持ちのIさんは、朝目覚めると「私は何でここにおるとやろうか?」と不安な表情をされます。しかし、なんとなく見覚えのある職員(私)に声を掛けると少し安堵し、朝食のためリビングに足を運びます。しかし、その途中、「ごめん、やっぱりいきたくなか…」と足を止められます。理由を聞くと「知らん人のおるとやろ?そがん所にはいきたくなかとさ」と。そこで私は「Iさんの知っている人ばかりですよ。今朝もNさんがIさんはまだ寝ているのか?と待たれていましたよ」と伝えます。Iさんは「Nさん?誰やろか?知っとる人やろか?」と首を傾げ再び足を動かされます。リビングに行くと、周りから「おはようございます」と声を掛けられ、Iさんは「あんたやったね。知っとるばい。おはようございます」「よかった」と、そこでようやく安心されIさんの一日が始まります。

これは、私がいるユニットの入居者Iさんの毎朝の様子です。何を言いたかったかというと、Iさんは入居者、職員の名前などは覚えてはいないが、なんとなく知っている顔、いつもの人がいたということで安心されるのです。ユニットケアでは10人前後のユニットに専任の職員を配置することで“馴染みの関係”が築きやすい。また、少人数だからこそ、その人に寄り添える時間が多く理解が深まりやすい。天恵荘では、そのことを様々な場面で感じることがあります。今回はそんな、私が実感しているユニットケアの魅力の一つを紹介しました。

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