「生きる」ということへの寄り添い(特別養護老人ホーム花巻あすかの杜 清水 康宏)
2022年12月1日 更新
私たちがユニットケアを通じてできること。それは基本的なことかもしれませんが、入居者に寄り添うということではないかと思います。ただ、寄り添うと言っても、決してうわべだけではなく、関係性を構築し、その方の人生の最期まで深く寄り添うこと、つまり入居者の「生きる」ということへの寄り添いです。
入居者と私たち介護者は、施設での日々の暮らしを通して、家族よりも濃密な時間を過ごしています。入居者が亡くなられた時、「この方はこう生きた」と、その方の人生を語れるような本当の意味での寄り添いを、私はしてみたいと切に思います。そのためにも、私は日々入居者と真摯に向き合わなくてはいけないと感じています。
入居者は、日々の暮らしの中で、喜怒哀楽を様々な形で、私たちに表現してくれます。それらをしっかりと受け止め、心身両面を支えながら共に生活を送ること。それは本来であれば家族が行うことかもしれません。ですが、現実的にそれは難しく、だからこそ私たちがいます。ユニットケアでは、入居者に対して単なる介護ではない、「生きる」ということへの寄り添いができると思います。