「ユニットケアを続けるということ」(特別養護老人ホーム白浜日置の郷 久森岳)
2020年1月6日 更新
施設がユニットリーダー実地研修施設となってもう8年になります。更新調査が3年に1度あり、職員や入居者の入れ替わりがある中で実地研修施設として質を維持していくことは本当に大変です。それでも私はユニットケアを続けることは大切であると考えます。
ユニットケアの実地研修施設で私たちは毎日仕事をしています。その生活に慣れしまっているのでユニットケアの良さに気付くことが少なくなっているのが現状です。しかし実地研修に来られたリーダーの方々や遠方から来られる入居者の家族によって改めてユニットケアの良さに気付くことがあります。「時間がゆっくりと流れている」「ユニットの中が穏やか」「入居者の顔が落ち着いている」「ここにいると落ち着く」など良い意見をいただきます。
私自身、ユニットケアの運営を続けて本当に良かったと思えることが最近ありました。
終末期の入居者が亡くなるという悲しい出来事があったのですが、その日私はその場におらず、職員から連絡をもらい施設に駆け付けました。ご家族と対面すると言葉なくしばらく二人とも大泣きした後、亡くなられた入居者の思い出を笑顔で話し合いました。
入居者やその家族と「喜び」「悲しみ」など共有できることがユニットケアの最大の魅力であると思います。後から聞いた話ですが、その亡くなられた入居者のご家族が外に出ていかれてユニットに戻ってきた時「ただいま」と言われてユニットに入ってこられたと聞きました。自分の「家」のように感じていただいていることが本当に嬉しく思いました。
ユニットケアは私たちに「介護という職種が誇りある職種であることを改めて気づかせてくれる」そう私は考えます。ユニットケアを続けることが入居者や家族の笑顔につながっていく。それこそがユニットケアの一番の魅力ではないでしょうか。