「ユニットケアの魅力」 (特別養護老人ホーム 岩出憩い園 中西 尚美)
2020年3月2日 更新
私が思うユニットケアの魅力は、介護が必要な状態になってもごく普通の生活を営めることです。岩出憩い園に勤める前は、決まった時間に一斉のケアを行い、同じリズムで“業務”を行うという毎日でした。しかし、岩出憩い園に入職すると、ここでは入居者が自宅から馴染みの家具や自分だけのソファなど持ち込んでいます。ある入居者は、朝起きて身支度を終えると散歩に出かけ、その先で色んな方とお話をします。また、仏壇に手を合わせている入居者もいます。そんなごく普通の日常生活の光景を間の当たりにしました。そんな時「ここは生活の場、暮らしの場」なんだと実感しました。入居者は朝起きて、夜眠りにつくまで、それぞれ毎日の暮らし方は違います。暮らしは毎日の積み重ねです。入居者は住み慣れた自宅を離れ、新しい生活の場に移るという事には不安がいっぱいです。その方にとって、今までの暮らし、これからの暮らしを決めるのは、決して私達介護者ではなく、入居者の想いが最優先であるべきです。そこにはいつも見慣れている入居者や、自分のことをわかってくれている職員がいる事で“安心できる居場所”になり、その人らしい生活が送れるのです。
これからも私は、入居者と寄り添い、同じ時間を共にすることで、些細な変化にも気がつける介護者でありたいと思っています。