「百閒は一見に如かず」(社会福祉法人寿光会 特別養護老人ホーム天恵荘 ユニットリーダー 原 神無子)
2019年7月1日 更新
私はユニットケアに反対でした。自分の意図しないところで、ユニットケアの話しが盛り上がり、知識のない中で仕事をすることのストレス。「今のままでいいのに…」「手法が違っても入居者が満足すればそれでいいのでは?」そんな屁理屈をつけては、毛嫌いしていました。ユニットケアを進めていくにあたり、何度もユニットケアの良さを説明されていたはずですが、当時の私はその話を素直に吸収することが出来ませんでした。ユニットケアを推進していく人達と理解できない私たち両者の苦悩があったと思います。
そんな中、いざ自分がユニットケア研修に受講してみると、まさに百閒は一見に如かず!コーディネーターや講師の分かりやすい解説や体験談を聞き、実際に入居者体験が出来たことで、ユニットケアに対するわだかまりがすーっと解け、クリアになっていく感じがしました。そして、自らが受講し「体感、体験出来て良かった」と心から思えたことで、施設の仲間に“自らの感想”として伝えることが出来ました。施設を出て違う環境で話を聞き体験したことも、自分の考えを改めることが出来た一つのきっかけかもしれません。何よりユニットケアを行っていくうえで、同じ様に葛藤し、悩める人たちとその感情を共有し合うことができ、「自分の施設でも頑張っていこうね!」と誓い合えたことは、お互いに背中を押しあえたような感覚でした。
ユニットケアの本質をしっかり理解出来たことで、リーダーとして伝え方も変わり、ご家族や入居者との向き合い方も変わってきました。ユニットケアは決して特別な手法ではありません。今までの暮らしの延長線上にユニットケアがあると思います。介護される側の暮らし方や気持ちに寄り添いながら支援していきたいと思います。
「いつもの人」(社会福祉法人寿光会 特別養護老人ホーム天恵荘 ユニットリーダー 西山 亮太)
2019年7月1日 更新
重度の認知症をお持ちのIさんは、朝目覚めると「私は何でここにおるとやろうか?」と不安な表情をされます。しかし、なんとなく見覚えのある職員(私)に声を掛けると少し安堵し、朝食のためリビングに足を運びます。しかし、その途中、「ごめん、やっぱりいきたくなか…」と足を止められます。理由を聞くと「知らん人のおるとやろ?そがん所にはいきたくなかとさ」と。そこで私は「Iさんの知っている人ばかりですよ。今朝もNさんがIさんはまだ寝ているのか?と待たれていましたよ」と伝えます。Iさんは「Nさん?誰やろか?知っとる人やろか?」と首を傾げ再び足を動かされます。リビングに行くと、周りから「おはようございます」と声を掛けられ、Iさんは「あんたやったね。知っとるばい。おはようございます」「よかった」と、そこでようやく安心されIさんの一日が始まります。
これは、私がいるユニットの入居者Iさんの毎朝の様子です。何を言いたかったかというと、Iさんは入居者、職員の名前などは覚えてはいないが、なんとなく知っている顔、いつもの人がいたということで安心されるのです。ユニットケアでは10人前後のユニットに専任の職員を配置することで“馴染みの関係”が築きやすい。また、少人数だからこそ、その人に寄り添える時間が多く理解が深まりやすい。天恵荘では、そのことを様々な場面で感じることがあります。今回はそんな、私が実感しているユニットケアの魅力の一つを紹介しました。
「ユニットケア研修の意義」(社会福祉法人鶴岡市社会福祉協議会 特別養護老人ホームおおやま フロアリーダー 菊地 勝)
2019年6月1日 更新
普段、私たちが仕事をしている中で、新しい価値観に気づき、大きく現状を変えていこうと考える事はなかなか難しいと、日々必死になって仕事をがんばっている中で自分たちの現思います。それは業務に追われ在地を確認する余裕がないからです。
そこで、リーダー研修に参加することで、自分や施設の現状がわかり、自分たちが進むべき道や方法を見つけることができると思います。
ユニットリーダー研修の魅力は、ユニットケアについての理論を学びつつ自分たちの課題を考える機会になることだと思います。講師とのやり取り、他施設の受講者と一緒に自分たちの課題を洗い出す、どうすれば理論に近づけることができるか、どうすれば入居者の暮らしを意向に沿ったものにできるのかを学んでいくことができます。
私は、10年前にリーダー研修を受講し、昨年指導者になるための研修に参加した際、受講者の皆さんとふれあう機会がありました。皆さん、それぞれが悩みを持ち、現状の何かを変えたいと考える姿勢はとても刺激になりました。
仕事は楽しく働くことが理想だと思います。そのためにはどう工夫したらうまくいくのか、どうしたら楽しく働けるのか考えることが重要です。
『明日は今日より0.01%だけ成長を目指す。それを365日繰り返すと、それだけ1年間で成長できる』
リーダー研修を通して、自分たちの課題に対して「明日から変えよう」と前に進んでいくためのヒントを見つけて欲しいと考えています。