開所からの歩み(特別養護老人ホーム ミネルヴァあべの)

2024年12月13日 更新

当法人の「社会福祉法人日本ヘレンケラー財団」には、救護施設や障がい児・障がい者の事業所はありましたが、高齢者の事業所は「ミネルヴァあべの」が初めてでした。
私自身も開設からユニットリーダーとして携わらせて頂いていますが、それまでは当法人の障がい者入所施設で働いていました。高齢者施設で働いていた経験はなく不安でいっぱいだったことを覚えています。
開設に向けてユニットケアに取り組んでいる施設に見学をさせて頂いたり、ユニットリーダー研修で学ばせて頂く中で、家庭的な雰囲気で穏やかに生活されている入居者の方々を目の当たりにし、障がい者施設との違いに驚いたと共にこのような「暮らしの場」を作りたいと決意しました。
しかし、始まってみれば慣れない介護の現場に戸惑い、施設の生活リズムに入居者が合わせるなど家庭的な雰囲気でその人が望む生活を実現したいと考えていたイメージと異なる日々が続きました。
そんな中でも感じていたことは、障がい者施設でも高齢者施設でも入居者と信頼関係を築くことは同じだということです。信頼関係を築くためには「その方のことを知る」ことが不可欠だと思います。これまでの生活歴や環境、考え方など知る内容は様々ですが、ユニットケアの理念でもある「その人らしい暮らしの継続」を実現して頂くことに繋がってくるのではないかと思います。
ユニットリーダー研修実地研修施設を目指して施設長が旗を振り、日本ユニットケア推進センターや他の実地研修施設の方々からご指導頂くようになると、職員の意識や考え方が「入居者のために」と変わっていきました。
「ミネルヴァあべの」は、施設理念でもある「生活に楽しみと喜び」と「人生に生きがいと輝きを」を実現するために歩を進めている最中です。
まだまだ至らない点もあるとは思いますが、チーム全体で入居者お一人おひとりの想いや気持ちに寄り添い、頑張ってまいります。

 

第Ⅱあま恵寿荘“快互upteam”(特別養護老人ホーム第Ⅱあま恵寿荘 田口 守)

2024年11月15日 更新

愛知県あま市にある特別養護老人ホーム第Ⅱあま恵寿荘で介護主任をしています田口です。

第Ⅱあま恵寿荘は昨年、今までの自分たちの考え方(今までの経験からの常識)を一度ぶっ壊して、言い訳をせずにとにかく振り切ってユニットケアに取り組む!ことを決めました。
一昨年までは、何もない、ただ綺麗なホテルのような施設っぽい施設から、ユニットケア推進センターの皆さんにご指導ご協力いただき、ケア方法を見直し、暮らしの環境を設え、記録等全てを修正しながら取り組み、約1年で実地研修施設として認定していただくことが出来ました。
短期間で実地研修施設としての指定を受けられたのは、開設から9年、ユニットケアには目覚めていませんでしたが、自分たちなりに少しずつ地盤を築いてきたことが大きな基礎となりました。地盤作りの大きな部分としては、職員全員が施設理念である「わたしがわたしらしく心地良い居場所」を理解し、同じ方向を向いて進むようになっていたからです。勿論同じ方向を向くことが自然と出来た訳ではなく、施設長が日々理念を浸透させ、方向性を示し続けてくれたおかげだと思います。そして、もう一つの大きな地盤作りが、自分自身が介護主任として取り組んできた”快互upteam”です。
開設当初、不足する介護職員の問題と、介護職員をようやく集めても、ケア方法が異なり、ユニットケアどころか、入居者に当たり前のことが当たり前に提供出来ていない状況でした。どれだけ入居者の暮らしを豊かにしようと取り組んでも、まずそこに入居者を想う気持ちがなければ中身の無い理想論となり、あくまで職員の自己満足に過ぎず、入居者の暮らしは豊かにはなりません。
「このままではいけない…。」と介護職員から有志を募り、新たな委員会として”快互upteam”を立ち上げました。立ち上げに際して施設長と話し合い”当たり前のことを当たり前にできる”を目標に活動していくこととしました。
当たり前に統一した介護技術を提供していく為に、排泄介助の手技からノーリフトケアの徹底、記録の重要性、コミュニケーション技術など、すべての職員が目標を達成できるまで1つ1つのケアをしっかりと見直してきました。一つ一つ問題を解決していき”当たり前のことが当たり前にできる”ようになってきたその先に、ようやく”その人らしい暮らしの継続=ユニットケア”という目標が出来たのです。
地盤を築き、職員一丸となることができ、そして施設長自身が旗を振り続けてくれたことで、まだまだ課題はありますが、1年で一定基準の目標は達成できたのかと思います。
その経験があるからこそ、同じように課題の多い施設でも、職員が一丸となればユニットケアはできると思います。今から施設でユニットケアを始めたい!と思っている方は第Ⅱあま恵寿荘に一度来て頂ければ、どん底から始まったこれまでの取り組みをお伝えすることができます!是非第Ⅱあま恵寿荘へお越しください!!
皆さんとお会いできることを楽しみにしています!!!

 

ユニットケアの取り組みから感じたこと(介護老人福祉施設IGLナーシングホームシャレー 迫川 圭琴)

2024年10月15日 更新

ユニット型特養として開設し、8年。全力で日々のことに向き合ってきました。ゆっくりと振り返ってみると、ハード面は整っていましたが、ソフト面は施設の生活リズムにご入居者が合わせてくださる場面が多かったように思います。

ケアの見直しと、さらにケアの質を上げたい、私たちの成長につなげたい思いから、1つのきっかけとしてユニットケア実地研修施設を目指すことにしました。施設長の旗振りから始まったチャレンジ。本当にできるのだろうか、みんなが1つになれるだろうか、そんな不安を私自身が感じてしまった時期もありました。しかし、振り返ってみて一言。ユニットケアに対する考え方の変化、チーム力の向上、このような財産は介護職を始めて1番大きなものとなっています。間違いなく、私のターニングポイントです。

施設で生活、ではなく「家のようにその人らしく暮らす」ことをもう一度見直したときに、言葉の使い方やユニットの環境、食卓やくつろぎの場の使い方、24シートの活用、ケア方針等、取り組むことが明確になりました。施設で働くスタッフの思いが同じ方向に向かわないと何事も取り組んでいくことは難しいと思います。「何のためにするのか」「やることでどんなことが見えてくるのか」、皆に伝えるためにはこのようなことが重要だと感じました。また、 誰かが一生懸命やる姿や幸せそうな姿をみると人の心は動きます。今回、ユニットリーダーや多職種、ユニットスタッフが必死に頑張る姿や熱心に考える場面、ご入居者が暮らしを楽しむ姿を見て、言葉を聴いて、何度も感動し私の心が動かされました。このようにチームとしてまとまってきたのだと思います。

ここからが本当のスタートです。

お一人おひとりの暮らしを知らずして、ご入居者を支えることはできません。「ご入居者を知ること」を大切にし、暮らしをもっともっと楽しんでもらいたいと思います。コロナが5類になり、行事も以前のように戻りつつありますので、ユニットの外で楽しめる機会を増やしていきたいです。

 

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