「灯光園の暮らし」(特別養護老人ホーム灯光園 羽田 美由紀)
2020年4月1日 更新
リーダー研修では、老人福祉法に基づく「特別養護老人ホームの設備及び運営に関する基準第33条」が繰り返し話されます。
「入居前の居宅における生活と入居後の暮らしが連続したものとなるように配慮しながら自律的な日常生活を営むことを支援」することが大切なところです。初めは具体的にどうしたらいいのかわかりませんでした。研修の中で、先進施設の講師の方が具体的に「うちではこんなふうにしています。起きたい時に起き、朝食を食べる。買い物へ行きたい時は出来るだけ工夫して出かける。好きなおかずは多めによそってもいい…」と自施設の事例を話してくれました。また実地研修でも、座学の通りのことが行われているのを目の当たりにしました。
偏食で食事の好みが給食では追いつかないFさんはおかずを購入し、ユニットで煮炊きもします。以前は考えられないことですが、今は男性職員もチーズ入りの卵焼きを作ります。職員も慣れてきました。左麻痺があり、車いす自走のMさんは目が覚めるとコールで職員を呼び、身支度を整え、車椅子に移ります。車いすに座った時から自由な生活を送ります。「朝ごはんを食べようかな」「ちょっと散歩に行ってくるよ」と、自分のペースで生活しています。Sさんは生活の殆どに介護が必要です。目が覚めるまではカーテンを開けません。一斉介護をしていた頃はできなかったことですが、職員の意識が変わり、当たり前になりました。
少しずつ、研修で具体的に教えていただいたユニットケアに近づいてきたな、これが自律的な生活の支援なのかな、と感じています。