「人生の晩年、ご機嫌で過ごす為に」(特別養護老人ホーム ちょうふ花園 梅津鋼)
2017年1月16日 更新
皆さん、自分達の施設に暮らしているお年寄りは、どのような事情で施設に入り、どのような思いで一日一日を過ごされているのか常に振り返っていますか?
きっと、お年寄りはできれば慣れ親しんだお家で、大好きな家族と暮らしたいと思っているでしょう。でも様々な事情でその事がかなわないので、施設で暮らしていただいています。
ちょうふ花園で暮らしているお年寄りも皆そうです。重度化の影響で以前と比べ短くなりましたが、平均5年弱の時間があります。その残された時間、少しでも幸せに過ごすには、機嫌が悪いより機嫌が良い方がいいですよね。そこで朝の目覚め方です。自分達も目覚めが良い時は機嫌が良く、体調も良好です。お年寄りも施設の日課に合わせた起床ではなく、その人それぞれの、その日その日の様子で、お年寄りが「気持ちいい」と感じるタイミングで起きる事ができた時、気分も良く、「何か良いことがありそう」、「今日も頑張ろう」と思えるのではないでしょうか。認知症の方であればなおさらです。そして機嫌が良ければゆっくり時間がかかってもご自分で食べる事ができますし、職員の力を活用して何か新しい事にも挑戦しようと思えるのかもしれません。そういう時間を創れるのが暮らしを支える専門職が集まった組織であり、ユニットケアは、お年寄りが機嫌よく過ごす事ができるケアです。
「ユニットケアとの出会い」(社会福祉法人プレマ会 古谷田紀夫)
2017年1月5日 更新
ユニットケアとの出会いは、平成14年~15年頃、私が社会福祉法人プレマ会を立ち上げ様とした際に、横浜で秋葉センター長(当時は、千葉県八街市の特養風の村施設長)の話を聞いたことより始まったと思い出します。
当時、私は高齢者福祉には関係しない職種に就業の場を持っていましたので、秋葉さんの話は、私の心に大きな刺激となりました。特に、秋葉さんの言葉の一つに「ユニットケアは、今までの高齢者福祉のあり方への革命的な変革である」との話しには、私達がこれから作ろうとする施設のあり方を正に想像させるものでした。
実は、プレマ会の立ち上げは、平成11年の私の家族の一言より始まりました。それは、「自分の家族が入居しても良いと思う施設を作りたい」との言葉でした。今までの施設のあり方が、「入居しても良い」施設でなかったのかも知れません。
そのような中での秋葉さんの話は、この実現に向かう為の方法ではないかと感じたのでした。
その思いから、今日の社会福祉法人プレマ会みなみ風が存在しているのだと思います。
「大切な家族」(特別養護老人ホーム第二天神の杜 千葉功貴)
2017年1月5日 更新
初めて入居される日に家族様と必ずお話しをするようにしています。
時折、在宅ではもう過ごせないことは十分わかっていても、涙ながらに複雑な心境を話される家族様がおられます。
「90歳近くになった母を私(娘様)の判断で住み慣れた家から施設に入居させてよいものやら・・・」や「主人が一生懸命働いて建てた家、そして娘を育てた家から主人を施設に入居させると思うと・・・とても辛いです」など
施設の長である私は「家族の言葉・家族の思い」をしっかりと胸に刻んでおこうと強く思います。
何年か前に、家族様(娘様)から「母の入居時、皆さんの前では平然としていましたが、実は家では寂しくてずっと泣いていました」と笑顔で教えていただいたことがあります。
入居当時、そんな素振りが全くなかったので正直驚きましたが、「家族のように母を大切にしていただき、ここ(第二天神の杜)に入居させて良かった。私の判断が間違いじゃなかったと思えたからこそ、当時のことを今は笑って話せるのです」という言葉を聞いて、ユニットケアは入居者の暮らしを豊かにするたけではなく、家族の気持ちも豊かにする力があると改めて感じた瞬間でした。