僕がユニットケアに取り組む理由〈わけ〉 (特別養護老人ホーム清明庵 山口匡彦)

2016年11月15日 更新施設長

「自分の施設に入りたい度はどのくらいですか?」

「清明庵のアピールポイントはなんですか?」

ユニットケアリーダー研修の実地研修の中で施設長への質問の一例だ。座学の導入の過程の中で「自分の入りたい施設を作っている」という当法人理事長と私のわがままに共感してくれたとのことだ。

高齢者福祉に携わるようになって自分の死に際をよく考える。

父はがんで6人部屋という中で亡くなった。父には大変申し訳ないが、ベッドという唯一の自分の空間で排せつ後の臭いの残る中、食事を摂りながら亡くなって行く姿にいたたまれなくなった。

愛する家族に囲まれて、少しのわがままを聞いてもらって静かにこと切れるのが理想ではないか。せめて他人に死に際を悟られずに、ほんの少しのわがままを聞いてもらえれば、「いい人生だった」といえるのではないか。

清明庵のアピールポイントは?「職員」と言った。理由はわがままを聞いてくれそうだから。

自分の施設に入りたい度は?

興味のある方はぜひ私に直接聞いてほしい。

「職員の固定配置の効果」(特別養護老人ホームグレイスヴィルまいづる 淡路由紀子)

2016年11月15日 更新施設長

開設当時、一番苦労したのは、職員をユニットごとに固定配置することでした。職員を募集してもなかなか来てくれない、退職する人も後を絶たない中で固定配置の実現は難しく、「介護単位は2つのユニット、それの何処がダメなの?」と、心の片隅で実はそんなことを思っていました。

4年が経過し、ようやく固定配置が叶ったとき、それはもう驚きました。職員の誰もが、入居者やご家族から「〇〇さん」と、名前で言葉をかけられるようになったのです。当り前ですが、私たち職員ひとり一人にもちゃんと名前があることを思い出しました。

固定配置になって、職員が入居者、ご家族、地域の方を大切にしているのと同じように、職員自身も、大切に思って頂いていることを肌身に感じるようになりました。

固定配置は、ケアの手法を超え、縁あって出会った人々、このまちで共に暮らす人々を結ぶための最初の大切な一歩であることを、今は疑う余地もありません。

~ユニットケアの実践は現場職員のプロ化!~(社会福祉法人伯耆の国 山野良夫)

2016年11月1日 更新施設長

 

特養「ゆうらく」は平成15年に創設され、これまで35年以上の長きに亘る集団ケア・流れ作業から脱却することになりました。がっ、ハードが変わっただけで、同じ入居者・職員で果たしてどうなるか・・・?大きな不安を抱えての再出発でした。

ユニットケアの基本である固定配置と、暮らしの継続を保障する24時間シートの活用により、着実に個別ケアの実践が可能となってきています。

個別ケアの提供により、入居者はこれまでの焦点距離の合わない表情から、笑顔と目的を持った表情に変わり、職員は自立支援の具現化を目指し、より一層の専門性を身に付けてきました。プロとしての介護職の意識の醸成に繋がってきています。介護職の市民権の獲得を・・・!

これからもゆうらくは、ユニットケアの基本を尊重しながら、入居者の暮らしの場・暮らしの継続の充実を図り、地域住民のセーフティーネット構築支援を目指していきたいと考えています。

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