ユニットケア施設での機能訓練指導員の役割(特別養護老人ホームはだの松寿苑 露木 輝幸)
2022年9月1日 更新
私が当施設に勤務する前は、急性期病院でのリハビリ業務を担っており、在宅復帰に向けて患者様の機能回復や残存機能を生かしながら訓練を行い、病前の日常生活を取り戻すことを目標としていました。一方、特養へ入居される方は、在宅生活が送れなくなり、機能回復や在宅復帰が望めない高齢の方がほとんどです。このことから、病院での経験を今の施設でどのように活かしていけばよいのか、日々苦戦していました。徐々に慣れてくるにつれ、施設で導入していたユニットケアについて学ぶ機会があり、ユニットケアとは「入居者の個性や生活リズムに応じて、暮らしていけるようにサポートする手法」であることを知りました。この時私は、リハビリテーションの語源でもある「その人らしく生活する権利を取り戻す」が頭に浮かびました。その日から入居者に対して、病院のような回復を目指すリハビリでなく、「その人らしさを取り戻す為に、その人らしく生活する」には、何が必要なのかを一番に考え、ご本人に希望を確認し、ご家族から情報を集めて元気な時の生活や人となりを感じながら、介護職と共に機能訓練を行っています。そして、入居者がその人らしい最期が迎えられるように、専門職として知識の伝達と実践につながるよう日々多職種と連携を図っています。
コロナ禍の中で(特別養護老人ホーム白浜 日置の郷 南 里砂)
2022年8月1日 更新
私が現在の職種についてから5年ほどになります。現在もリーダーと共に問題に取り組み、悪戦苦闘しております。
長期化するコロナ感染対策の中、施設入居者は家族との面会を自粛、外出制限を行っています。私が現在気にしているのはこのような状況で「入居者は今の暮らしに満足しているのか?」「もし満足していなければどうすればよいのか」と日々、自問自答していました。
ある日、外にソフトクリームを食べに行きませんかと入居者をお誘いしました。「行きたい!」と目を輝かせる入居者のご様子を見て、当たり前の生活援助が出来ていないことを痛感しました。
私たちの地域は海まで歩いて5分ほどの距離にあります。そのため特に海など珍しいものではなかったのですが、海を眺めながら風に当たっていると入居者様「コロナで大変な時期にこんな事出来るなんて思わなかった。楽しいね」と笑顔で言った言葉に気付かされたのです。「特別なことではなく当たり前の生活が施設に入居したら出来ない、コロナだから出来ない」と考えず「出来ることを支援することで入居者は十分満足してくれるのでは?」と感じました。入居者と職員が共に楽しむ大切さも実感させられました。
今後も日々の生活に気を配り、継続するコロナ禍でも入居者が楽しんで暮らしていただけるように今後もリーダーと共に考えていきたいと思います。
【自分も利用したい施設作り】と【暮らしの継続】を意識したケア(特別養護老人ホームケアステーション藤が原 山岸 充枝)
2022年8月1日 更新
当法人の理念の1つに【自分も利用したい施設作り】があります。私の人生、職業のほとんどがサービス業でした。介護歴も20年ほどありますが、どうしても4年以上は1つの施設にとどまることが出来ず、当施設に入職してからも「定年までいられるかな?」と思っていたのは事実です。
ただ当施設がユニットケアを取り組みはじめ、受け入れ施設となった今、なぜこんなに長く勤めてこられたのか?それは(仕事が)面白いからです。テーマパークのような面白さではなく、自分たちの取り組みがすぐに反応として返ってきて結果が見られ、また改善していこうという気持ちがエンドレスに続くことが面白いのです。「自分だったら、こうしてもらえると嬉しいな」と、いつも考えながら入居者と関わっています。新人職員や中堅職員にも常に「自分だったらこれでいいの?満足するの」と問いかけています。実践する上でのツール(24シート等)は必要ですが何より「望む暮らし」を実現する為、スタッフは些細なサインを見逃さないでいてくれています。今日は七夕まつり、短冊に「トウモロコシが食べたい」と書いてあったので、今からゆでて10名の入居者にお出しするつもりです。介護の仕事は究極のサービス業だと私は感じています。
私だったらこの施設に入居しても良いかな?と少しずつ感じ始めながら定年までの時間をみんなで楽しく頑張っていけたらなと考えるこの頃です。